研究所紹介

一覧に戻る

生活新聞1981 - 2006

1981年から2006年まで、社内資料として発行されていた「生活新聞」の概要を掲載しています。「生活新聞」とは、生活者の日常を研究員が独自の視点で洞察・研究し、社会生活から日常生活のディテールまで、様々な手法を用いて生活に迫った研究レポートです。

  • 昭和バサラ
    奢侈学習の時代

    梵語からきた言葉バサラ。室町時代では、転じて「派手好き」とか「目立ちたがり」を意味した。昭和の現在にも通じるバサラ。そこで「昭和バサラ」のタイトルのもと昭和60年の御世の現状をまとめた。「昭和バサラ」の2大条件は、金余り現象と個性化現象からなる。「贅沢の経済学」が求められた1985年、紙・誌面からバサラニュースを拾いあげ、60のキーワードでまとめた。

    1985/12/27
  • サラリーマン通勤事情

    通勤時間は、会社という公世界と家庭という私世界をつなぐ重要な役割を果たす。路線の異なる世界を結ぶ「転轍機」みたいなもの。遠距離通勤者「遠ちゃん」と近距離通勤者「近ちゃん」の生活の違い、言い分などを既婚サラリーマン320人から分析。サラリーマン通勤マップ付き。奥様座談会では「男なんて近くても遠くても皆同じ」という意見がでた。

    1985/11/29
  • 号外
    分衆、してますか。

    「分衆の誕生」(日本経済新聞社)の発刊より10ヶ月。「大衆から分衆へ」という時代の捉え方が共通意識になりつつある中、Q&Aの形で分衆化の問題を具体的に考えた。「分衆を一言で言えば“攻めのマーケティングの立場”」「分衆化する消費者市場への対応」などビジネスよりに解説している。「分衆」と言う言葉はその年、日本流行語大賞に選定され、社会に広く浸透した。

    1985/11/10
  • △(さんかく)感覚

    若者は完全無欠なレジャーではなく「時期・場所・目的」のどこかに欠点がある「△感覚」なものに惹かれ始めた。「夜、六本木にお酒を飲みに行く○感覚」→「夜、六本木にスポーツをしに行く△感覚」という風に。時間や場所や目的を変えて△感覚を楽しむ生活者。そこから様々な消費も誕生。「プールサイドのためのプール」「アフタースキーのためのゲレンデ」など△感覚で価値が変わる。

    1985/10/30
  • 二都物語

    ある地方の高校の卒業生を調査したところ、クラスの3分の1が故郷へUターンしていた。そのほとんどが男性だった。「女が都会を、男が地方をつくる」という取材結果をもとに、地方と東京のこれからの関係を検証。Uターンして30歳代を迎えている人々をグリーングラス・サーティと名付け、彼らが故郷を震憾させ始めている現象を、8ヶ条にまとめ、分析した。

    1985/10/03
  • 遊育ママ

    変わりつつある子育ての調査。育児の外部発注が進み、子供の数が減っても、子供費は増える一方。「セカンド教育費」はもはや家計の必要経費となった。手かけ、金かけ、期待かけ、ベストな子供に育てたい育児エネルギーが増大している。まじめ一本やりだった教育や子育ての世界にも「遊び」の要素が入り、それに便乗する「遊育ママ」が誕生した。「遊育」の現場から、現状を探る。

    1985/09/17
  • イエーイ!ミーハー道

    “いい悪い”より“好き嫌い”を軸にモノが動きはじめた80年代。感性で行動する先端集団、アイドルに群がるミーハーたちにせまり、その心理を追求した。5つのミーハー道は次の通り。1.ミーハーはクルクル「浮気」せよ。2.ミーハーは「金、体、労」を惜しむな。3.ミーハーは負けてはならない。4.ミーハーは「記号論」で武装せよ。5.ミーハーは「アイドル原石」を磨け。

    1985/08/30
  • 媒縁
    ナウの共有

    1985年、衛星放送によって初めてテレビの生放送を見ることができるようになった小笠原父島(東京都)と南大東島(沖縄県)。この両島に渡り、メディアの意味や役割をあらためて考察した。そこで発見したアイランドメディアの教訓を紹介。テレビの原点は一体感、つまり「ナウの共有」であり、「近いナウ」が「クールな状況」である時こそ人は「媒縁」を求めるということも発見。

    1985/07/31
  • きずな引力

    人間関係が拡大する現代社会において「家族のきずな」を調査した。比較として「親友とのきずな」を取り上げ、その「きずな引力」と「きずなを構成する要因」を探った。“引力UPの50代はきずなマーケットの適齢期”“肩の力を抜いた気楽さがきずな醸成のコツ”“40代は黄色信号。夫婦の理解もまず会話から”“親友は核家族時代のファミリーの一員”などの結果が得られた。

    1985/07/17
  • 夫婦ほ論
    メオトホロン

    個別化、高齢化などの変化潮流の中で夫婦のあり方、家庭運営について真剣に問われていた時代。アーサー・ケストラーの「ホロン革命」を参考に、夫婦の関係をホロン概念で考えている。「個」と「全体」の調和のとれたホロン夫婦を時代にあった新しい夫婦像とし、「話し合い」「開かれた心」「個の独立」「情熱を保つ」「指導性の確立」「遊び心」の6要素が必要だとしている。

    1985/06/28
  • 日常冒険
    Ordinary Venture

    生活の多様化が進み、生活者は平穏な日常生活と非日常、オフィシャルとラフという2つの世界を巧みにスイッチングして変化を楽しんでいる。過激な形ではなく、静かな普通の生活にアクセントをつける脱日常が好まれている。また男性の脱日常は逃避的な「気分転換」、女性は開放的な「息抜き」。30代は「ひとり」を、50代は「安寧」を志向するという特徴がみられる。

    1985/06/17
  • 二毛作人生
    ダブル・クロッピング

    人生80年時代、一生に2回の収穫を楽しむ新しい人生像「二毛作人生」を提言した。外部調査や社会事象を引用して、二毛作人生を先取りする様子を紹介。中年になってからの転職、挑戦の増加や、女性の社会進出や定年離婚の増加も二毛作人生現象としている。しかし社会には「年齢差別」が依然として存在しており、二毛作人生時代には社会的懸案として注目されてくるだろうとしている。

    1985/05/31
  • くだもの屋の謎

    駅前商店街の観察から街の法則を発見。街が小さいうちは果物屋、米屋、床屋などが一箇所に集まっているが、街が膨張すると米屋や床屋は街の外に押し出され、果物屋、花屋が中心に残るという、街の膨張理論である。この理論をもとに都内37の街の膨張度を観察、理論の検証をしている。「ハレ」の場である駅前と日常的な場である外縁部では、情報価値、付加価値にも大きな差がある。

    1985/05/09
  • 生活行動基本調査

    「街頭で配っているチラシを手にとってみる」「外のトイレは洋式か和式か」「喫茶店で一人でいることのできる時間」「自分のサイフの中の額を把握している」「朝食はパジャマのまま食べる」など、ちょっと気になる日常茶飯生活行動の実態を調査した。好奇心度や洋度、シャイ度、アバウト度、潔癖度という5つの指標で若者男女、中年男女の特徴分析もしている。

    1985/04/30
  • タウンメッセージ
    街の記号変化

    「山の手、下町、郊外」という街のアイデンティティを明確にするためのイメージ調査を試みた。具体的な場所、「山の手、下町、郊外」のイメージをきくと、街のアイデンティティは「イメージの記号」「人や行事というソフトの記号」「ものとしてのハードの記号」という3つの記号で形成されていることがわかった。山の手はイメージ、下町はソフト、郊外はハードの要素が強いようだ。

    1985/03/29
  • 号外
    東京闇市図鑑 PART2
    闇市度トップに武蔵小山

    82年11月の生活新聞「東京闇市図鑑」の続編。深夜0時にどこの街で何が買えるのかを調査した結果から、自販機しかない「不便ナイト街」、パン、ラーメン店が開いている「我慢ナイト街」、コンビニが開いている「便利ナイト街」、書店、薬局が開いている「安心ナイト街」、コピー、レンタカーが開いている「活動ナイト街」に分類。2年半で武蔵小山が急上昇、闇市度トップになった。

    1985/03/25
  • 若者うちわウケ

    「若者らしさ」という虚像と実態の微妙なズレを追うために、若者当人に「若者だと思うか」「感覚的か」「モラトリアムか」「個性的か」「コミュニケーション上手か」という若者らしい虚像をぶつけるという試みを行っている。バーやレストレランに友人同士が集まるという打ち解けた会談から得た、大人のフィルターを通さないカラーや脱優等生的な本音の声が掲載されている。

    1985/02/28
  • 調査年報1985紹介号 若者 感性時代の先導者たち

    調査年報85の紹介号。若者の判断基準は感覚的。先のことを思い悩まずに今を最大限に楽しむ、遊びの天才でもある。生活の本来の機能で支えられた今までの正円の暮らしに対して、遊びというもうひとつの焦点を暮らしの中に位置づけた遊楕円時代の実践者だ。気分や「らしさ」を積極的に表現したり、仲間と群れて遊ぶ特徴もある。お金も生活を楽しむための資金という位置づけだ。

    1985/02/20
  • 牛若と牛丸の85年談議 
    生活予報1985紹介号 遊楕円の時代

    生活予報85、調査年報85、単行本の紹介号。牛若と牛丸の会話形式で、案内している。85年は遊びの時代、暮らしが正円から楕円へと形を変えると述べた「生活予報'85-遊楕円の時代」。感覚的な若者の生活意識を調査した「若者-感性時代の先導者たち」。そして、ポスト大衆社会の見方を書いた単行本は「分衆の誕生-ニューピープルをつかむ市場戦略とは」である。

    1985/01/22
  • 幸福気流

    日本人は「ほどほど幸せ」という中幸福民族。社会基盤の確立により女性の幸福度は高まり、50代の幸福度も急上昇している。また生活感情をみると、プラス感情に影響しているのは子供と家族の健康であり、私生活に意識が向いていることがわかった。さらに地方11ブロック別の幸せ地図を描いてみると、幸福度と経済余裕度はたいへん相関が強いということが明らかになった。

    1985/01/07