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生活新聞1981 - 2006

1981年から2006年まで、社内資料として発行されていた「生活新聞」の概要を掲載しています。「生活新聞」とは、生活者の日常を研究員が独自の視点で洞察・研究し、社会生活から日常生活のディテールまで、様々な手法を用いて生活に迫った研究レポートです。

  • 生活グレイゾーン

    世の中の問題を含むさまざまな行為に対して、人々がどの程度まだ「ひっかかりを感じているのか」、またどの程度「実際に行っているのか」を調査した。その結果、許されない行為と許される行為の間の「グレーゾーン」に、多くの行為が位置していることがわかった。例えば、「配偶者以外の女性と夜遅くまで飲食する」「外国人に道を尋ねられても知らんふりする」といった行為だ。《228号》

    1995/12/22
  • プレジャー・ゲーマー

    最近、競馬場や場外馬券場には、若いデート中のカップルや女性ひとりで来ている人が目立つ。ギャンブルをすることは、いまや「もうける」ための行為ではなく、「楽しさ」「快感」を得るための行為なのである。ギャンブラーというより、「プレジャー・ゲーマー」とでも呼べる人たちが、ギャンブルの客になり始めているわけだ。こういう人たちは、騎手や馬自体のアイドル化を進める。《227号》

    1995/11/30
  • 上定食時代
    モノと情報の「束ねられ方」を買う

    膨大なモノと情報に囲まれた現代生活。その中から、自分の欲しいものを選び出すには、大変なエネルギーがいる。とはいえ、お仕着せのセット売りでは、満足することはできない。そこで、主張のある「選択力」が、売り物になるのだ。そうした選択力によって集められた店や商品や情報を、「上定食」と名付けた。セレクトショップや、プリフィクスレストランなどが、その代表例だ。《226号》

    1995/11/10
  • 虚像の行進 

    イメージが一人歩きしてしまい、実態と大きな違いがあることも多い。そのギャップを探ることから、高度情報化社会におけるイメージ形成に影響を与える要因を導きだした。大きいものは、より大きく、小さいものは、より小さくイメージされる。親しみのあるものは、より近く、より大きく感じられる傾向にある。また、ネーミングのイメージも、意識を歪曲させることが多い。《225号》

    1995/10/20
  • ベリガ
    ベリーガールは、へそを出して何をしているのか。

    若い女性の間で、へそ出しファッションがブームである。こうしたファッションの女性のことを、「ベリーガール」と名付けた。この「ベリー」とは、おへそを出してくねくね踊るベリーダンス(Belly dance)のベリーのことで、「おなか」という意味だ。東京・渋谷のファッションビル109を中心に、その状況を写真とインビューでレポート。他人の視線にさらされる快感を求める時代。《224号》

    1995/09/25
  • プライベート・ヘブン
    自宅リゾート・浴室が変わる

    家にいて、一番リラックスするのは、入浴の時だという人は、44%。一部の家では、新築・改築の際、浴室にお金とスペースを割く傾向がある。さらに、健康志向やヒーリングのブームから、さまざまな浴室用品を売る店も増えており、浴室は家庭リラクスゼーション・ルームとしての機能が充実してきている。そのため、未婚女性のうち、浴室への思い入れが強くなった人は44%になった。《223号》

    1995/09/25
  • モノは幸せか?
    モノはどのくらい使いこなされているのか

    家庭内には、さまざまな商品が溢れかえっている。しかし、所有されているものの、ほとんど使われず放置されているものもあれば、使われていても、まだ使えるのに新しく買い換えられてしまうものもある。また、機能が高いのに、その機能の一部しか使われていないものもある。そこで、自家用車、電話について「使いこなし度」を調査したところ、それぞれ63点、60点という結果がでた。《222号》

    1995/08/25
  • 世の中激動・生活微動 

    生活定点95年臨時版の紹介号。大震災、サリン事件などを体験した日本人の意識の変化を追う。「日本の治安」「社会の安定」が低下。経済やツキなどの他人頼みから、自分でコントロールする暮らしへと、気持ちの重心が転換した。幸福感と生活満足感も、低下した。しかし、それでも揺るがないのは、「生活の豊かさ感」と「生活の楽しさ感」で、前年調査とまったく変わっていない。《221号》

    1995/07/31
  • 調査年報1995紹介号
    情報生活 雄型と雌型の発見

    調査年報95の紹介号。情報やメディア、そして情報関連機器と生活者との関わりを調査・分析した。結果は、男女差が大きく、男性は「情報の作り手」「メディアの開拓」に重点があり、女性は「情報の使い手」「おしゃべりの楽しさでメディアを支える」という傾向が顕著だ。この男性的要素の強い情報行動を「雄型」、女性的要素の強い情報行動を「雌型」と定義し、生活者の分析をした。《220号》

    1995/06/27
  • 大田区型国際化の時代

    80年代以前の国際化は、欧米文化との出会いであり、港区など外交官の多いエリアを中心に広がった。これに対し、80年代は、新宿などでのエスニックブームなど、知らないアジアとの出会いが中心になったが、訪日アジア人に対しては、無理解と偏見もあった。しかし、90年代の国際化は、ごく自然に日本人社会の中に、訪日アジア人が溶け込んで広がっている。肩肘張らない国際化の時代。《219号》

    1995/06/20
  • 「リ・セット」
    阪神大震災4カ月目の17日〜取材メモから

    震災から4ヶ月たった神戸の人々をインタビューした。「しゃあない」という言葉で、あきらめからたくましく奮い立つ自分を語る人。情報の大切さを語る人。地縁、社縁の大事さを、考えさせられた人。ひとりで住んでいることを恐れるようになった人。ボランティアの存在の善し悪しを論ずる人。さまざまだが、地震は豊かさの大事さを再確認するためのリセットボタンであったようだ。《218号》

    1995/05/31
  • さあ、今日も「キドリ茶」して帰ろ。

    従来型の喫茶店が減っている一方、新業態の喫茶店は増えている。オープンエア型喫茶店もそのひとつだ。特に、オープンエア型の喫茶店は、道路に向けて教室のように椅子が列べられているのが特徴で、客は通行人の視線にさらされている。そのため、妙に気取った態度でお茶を飲む人が多く集まる。流行の新しい服を着た人が、道路側の席を選ぶのも、通行人の視線を意識してのことだ。《217号》

    1995/05/25
  • 出戻り小町

    都心から私鉄に乗って、次の中規模ターミナル駅のひとつ手前の駅前の小さな商店街が注目されている。それが「出戻り小町」だ。こうした町は、隣駅に大型商店街があるため、発展から取り残されたような古いままの町であることが多い。当然、店舗のレンタル代も、あまり高くない。そこに目を付けて、冒険心はあるが金はない人たちが、ビストロや雑貨屋などを開き、注目されている。《216号》

    1995/04/30
  • バックスター族
    植物と話し始めた人

    植物を、インテリアとしてではなく、静かなペットとして、かわいがる人が現れた。犬や猫に対するように、話しかけたりする人は、植物を育てている人の11%、葉をなぜたりする人たちも37%いる。これが、「バックスター族」だ。若い世代に多く、ミニ盆栽ブームやミニ観葉植物ブームの担い手になっている。植物を育てている理由は、なごやかな気持ちになるためというのが多い。《215号》

    1995/04/17
  • 生活者希望価格95年版 

    生活者の55%が、価格破壊を実感している。そこで、OPIという手法を使い、生活者自身の心理では、商品価格はいくらになるのがいいと思っているのかを調べた。87年調査の結果と比較すると、対象26商品中16商品は、その間に生活者の心理的価格が下がっていた。輸入ウイスキーの心理的価格は、87年の半額以下だ。しかし、サービス商品などには、安いのも不安という心理がある。《214号》

    1995/03/10
  • 平成サラリーマン憲法

    1987年からバブルの時代を経て、サラリーマン社会にはどのような変化が起こったのか。7年前の調査結果との比較から、平成サラリーマンの現状を探った。そこには、新しい常識「平成サラリーマン憲法」が生まれていた。その3大原則は「個の尊重」「平等主義」「常識緩和」であった。また20代は「バブリーマン」、30代は「イカリーマン」、40代は「サトリーマン」へと変化していた。《213号》

    1995/02/28
  • 呼び方調査

    「呼びかけ方」とは、非常にプライベートな色彩が濃いものである。自分の常識は、世間の常識にはならない。また、その人が生きる時代や環境、そして価値観をも反映している。そこで、「呼びかけ方」に関する誤解、思い込みを調査によって明らかにした。例えば、親を呼ぶ時は「お父さん、お母さん」が5割。「パパ、ママ」「お父ちゃん、お母ちゃん」もそれぞれ2割で健闘。《212号》

    1995/02/15
  • 生活予報1995紹介号
    点と系 生活の構造が変わる

    生活予報95「点と系-生活の構造が変わる」の紹介号。生活にも、経済活動にも、より奥深い構造変化として、「点」と「系」が顕在化するという予測。「点」的存在とは、人々や組織が今までの集団的存在(塊)からばらけ、個々の価値観や考え方へ向かうということ。人々の存在が点化すれば、当然その間をつなぐ関係も変化する。それがゆるやかにつながる「系」である。《211号》

    1995/01/20
  • 「戦後50年の常識」調査

    「今年は戦後50年にあたります。その戦争とその後のいくつかについて伺います」として、中学生レベルの常識テストを30問、街頭調査で行った。50年前の戦争が第1次世界大戦だと思う人1割、アメリカが味方だと思う人1割、日本が連合軍に属していたと思う人2割、国連が国際連盟だと思う人4割、日本が占領されなかったと思う人3割。30問中の平均正答個数は23.4個だった。《210号》

    1995/01/04