博報堂生活総合研究所 サマーセミナー2018 家族30年変化 家族はいま、プロジェクトへ。 博報堂生活総合研究所 サマーセミナー2018 家族30年変化 家族はいま、プロジェクトへ。

潮流1 家族と個

家族のユニット化

この30年間で、家族は「一心同体のひと塊」から「違う考えや欲求を持つ個人の集団」へと変化(=個人化)してきました。1980年代~90年代にはさらに「家族の絆の希薄化」が連想されるようになり、実際に1985年には「家庭内離婚」、1992年には「仮面夫婦」が流行語となりました。しかし、個人化がより徹底されそれぞれの自立が当たり前となった今、メンバーにとって家族はもはや逃れたい対象ではなくなりました。メンバーは自立したまま、自らの意志で家族でありたいと望み、協力して絆を強めようとしています。

1-1一員である前に一個人

家庭内での夫や妻の呼び方として、役割名ではなく個人名が増えています。また、消費面でも就労面でも、自分の行動を当人が決定する度合いが増加。いずれも、メンバーの自立が進んでいることを示しています。

家庭内の呼び方
(妻が夫を呼ぶ時)

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家庭内の呼び方
(夫が妻を呼ぶ時)

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外出着代の
支払い方

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妻が働きに出ることの
最終決定者

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結婚する前から、お互いのやりたいことを尊重し合おうと決めていた。自分の時間でどこに行っているか、誰に会っているかは特に聞かない。(28歳夫・子なし)

1-2「自主選択」にもとづく家族

「人は結婚してはじめて一人前だ」「夫婦はどんなことがあっても離婚しないほうが良い」という意識の減少には、人の生き方を縛る社会規範の弱まりが表れているようです。そんな自由な社会では、「結婚する/家族である」ことの意義も希薄になりそうなものですが、実際には「結婚して良かった」と感じる人が増えています。その背景には、自分が「結婚する/家族である」のは、社会の常識だからではなく、自分が望んで選択したのだ、という自主選択感の高まりがありそうです。

人は結婚して
はじめて一人前だ

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夫婦はどんなことがあっても
離婚しないほうが良い

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結婚して良かったと感じるか

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結婚して良かったと感じるか

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家族は「当たり前のもの」ではなく、
「感謝するもの」だと思っている。(40歳妻・子あり)

感謝の気持ちと思いやりがなくなったら、夫婦は終わりだと思う。私は夫には感謝している。(29歳妻・子なし)

1-3絆は自分たちでつくる

「意識して家族の絆を強めるようなことをするほうが良い」という人が増え、「家族一緒の時間を充実させたい」人も増加。家族の行事も、世間の型にはまった母/父/子どもの日などより、メンバーの誕生日など自分たちならではの記念日を大切にするようになっています。家族の絆は、はじめから当たり前に存在するものではなく、メンバーが協力してつくるものと意識されているのです。

意識して家族の絆を強める
ようなことをするほうが良い

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家族一緒の時間を
充実させたい

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毎年恒例の家族行事(1)

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毎年恒例の家族行事(2)

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自分の時間を大切にするからこそ、家族一緒の時間もちゃんと作って大切にするべき。私たちは平日の夕食を夫婦で食べられるよう、仕事の時間調整をしている。(29歳妻・子なし)

普段の食事でもテレビで映画を見るのでも、よくパーティーに仕立てて、家族で盛り上がれるように工夫している。(40歳妻・子あり)

調査結果は全てエクセルデータでダウンロードできます。
ぜひ、ご活用ください。

調査概要・データダウンロード
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