AIに負けない[好き]、
AIが助ける[好き]。

生活総研 上席研究員

三矢 正浩

人工知能(AI)が技術的にめざましい発達を見せ、注目を集めている昨今。AIプログラム「AlphaGo」が世界最高峰のプロ囲碁棋士を破ったことが大きな話題になり、AIが人間の能力を超える「技術的特異点(シンギュラリティ)」が今後本当に訪れるのか、AIが多くの人間から職を奪ってしまうのか、などなど、「人間とAI」の関係についての議論もますます活発になっています。

情報学研究者のドミニク・チェン氏は「これから先、AIの時代になるといわれていますが、肉体労働も知的労働も人間から奪われた時に何が残るかというと、それはおそらく嗜好性、[好き]なのではないか」と指摘しています。 同時に、「自分が何を[好き]なのかについて、人間が主体性を持っていないと、それこそアプリが勝手にプッシュしてくるレコメンデーションを消費するだけの存在になってしまうのでは」とも述べています。

AIに感情を持たせることは技術的に非常に難しいと考えられていますが、個人個人の特性や嗜好が強く反映された[好き]という感情は、人間にとってAIに負けない「最後の砦」なのかもしれません。

一方で、人間が自分の[好き]を追求していこうと思った時に、AIが頼りになるパートナーの役割を果たしてくれる。これから先の未来では、そんなことが起きているかもしれません。

人それぞれが多様かつ細分化された[好き]を楽しむなかで、「自分は、まだ開拓されていない[好き]のジャンルを究めたい!」というニーズもきっと出てくるでしょう。それに対応すべく、AIを駆使し、その情報解析能力を使って[好き]の未開拓ゾーン=「好き間(スキマ)」を教えてくれる「スキマ産業」なんてサービスが登場しているかもしれません。

また、「大好きなあの人の[好き]を、自分もトレースしたい!!」。そんな思いを抱く生活者も、もしかしたらいるかもしれません。そこで活躍するのが「センシビリティ・エンジン」。憧れのあの人の嗜好性を疑似的に再現したAIが、「AとB、あの人ならどっちを選ぶ?」などの問いかけに答えてくれます。大好きな人にとことん近づくためのサポートを、AIが行なってくれる。そんなことも起こりうるでしょう。

気になる「人間とAI」の関係。
[好き]を切り口に考えてみると、いろいろな未来が見えてくるのかもしれません。

好きの未来像

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