何事にも縛られない
― 街並み ―
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家の機能が街に分散しており、人びとは目的に応じてあちこち移動しています。また、あらゆる建物やスペースには、そこがどんな機能を持ったところかが一目でわかるようなサインが掲げられており、先客がいる場合は「使用中」に切り替わります。
― オシャレ ―
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「身軽さ」が大きな価値ですので、ファッションにおいてもミニマル・シンプルであるほどオシャレとされています。若い世代では局部のみを隠すスタイルも流行しつつあります。
― モビリティ ―
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すべての乗り物は自動運転化されており、シートの形状も乗員の快適さのみを追求した形になっています。若者の間ではカップル専用のペアシートが人気です。
― 介護 ―
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介護の必要な人が移住するタイプの介護が主流になっています。移住先はいわゆる専門施設ではなく、介護機能を備えた各地の旅館です。季節ごとに好きな地域へ移動する人もたくさんいます。
― 通勤・働き方 ―
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いわゆるオフィスに出社する人はほとんどおらず、大抵の人は各地に点在するサテライトオフィスで仕事をします。チェーン店のカフェのなかに仕事スペースを設ける企業も少なくありません。
― お風呂 ―
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人びとのお風呂に対してのこだわりは薄く、ほとんどの浴室は身体をキレイにするという目的のみを効率的に達成できるように設計されています。より短時間でハイクオリティに「洗浄」を終えられるウォークスルータイプが、特に人気を集めています。。
― 恒例行事 ―
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この日だけはどこにも移動せず、家族だけで1日を過ごします。普段は見上げることのない空の景色とゆっくり向きあう人が多く、人びとの間では「見上げる日」とも呼ばれています。
― メディア ―
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移動先にあるスペース自体がメディア化しています。例えば、ビールを一番美味しく飲める状態にカラダを整えてくれる無料シャワースペースには、そのモノ珍しさから多くの人が訪れています。
― リビング ―
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気分にあわせて各所のリビングスペースを転々とする一方で、ほとんどの人にとっては移動手段のモビリティそのものが一番落ち着ける空間になっています。
― 商店 ―
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お店は専門ごとに細分化しており、小規模ながらも「濃い」専門店が各所に点在しています。みんなそれぞれに自分だけの常連店を持つのが当たり前になっています。
― キッチン ―
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「何をつくるか」と同じくらい「どこでつくるか」を重視する価値観が広まっています。買い物と調理をシームレスに行えるキッチン併設型のスーパーが特に人気です。
― 子どもの夕食 ―
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子ども専用の食堂が各所にあり、それぞれの成長具合や体調にあわせた料理を提供しています。
― ストレス ―
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その時期の利便や気分にあわせて特定のエリアを「自宅」と決め、一定期間とどまる人も少なくありません。ただ、いい設備を備えた施設はやはり人気が集中しやすく、「家渋滞」がなかなか解消されない地域がたびたび問題になっています。
― ベストセラー ―
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臨機応変に移動しながら暮らすこの街では、こんな本が流行っています。
― 子どもの学び ―
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従来の学校のように様々な教科を総合的に学ぶのではなく、街のなかの施設・店舗に属しながら各教科を深く学んでいきます。例えば、銀行では数学・経済、病院では医療・介護など、労働の場自体が学びの場になるのです。子どもは「小さい大人」として、立派な労働力となっています。
― 子どもの遊び・運動 ―
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モビリティの発達により、子どもの運動不足が大きな問題となっています。それを解消するために、「遊びながら鍛える」をコンセプトとした公園があちこちに設置されています。子どもの身体にとって最適な負荷を与えることに特化した遊具で構成されており、その機能は折り紙つきなのですが、「あんまり楽しくない」と子どもたちからの評判はイマイチです。
― マナー・ルール ―
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人のことを根ほり葉ほり尋ねないのがこの街のマナーです。とはいえ、自分のキャラをパッと伝えることで気のあう仲間を探したいこともあります。そこで、初対面の挨拶をする時は自分らしさが伝わるマイ・テーマソングをささやかに流しながら、ということが新しいマナーとして普及しつつあります。
― 恥ずかしいこと ―
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様々な場所や機能を上手に使いながら身軽に移動し続けることがクールとされる反面、モノをたくさん持っていることは移動を鈍らせることにつながるため、「恥」と見なされています。所有物はトコトン少なく、その場その場で必要なモノを取り入れながら軽やかに暮らせる人がイケてるのです。
― 三世代交流 ―
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日常的に祖父母と顔をあわせることはありません。それぞれの家族がその時々の目的にあわせて移動を繰り返す生活のなか、自分が今いる位置や何をしているかを簡単に送りあうような交流をすることで、それぞれの場所で幸せに過ごしていることを確認しあっています。
― 子守り ―
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子どもを預けるのもその時々で都合のいい場所にしたいという家庭がほとんどのため、事前登録の必要なくその場で託児依頼のできる小規模な保育園が、コンビニのように各地に増えています。便利になった半面、人の集まりやすい地域の保育園に依頼が集中することも多く、相変わらず「保育園難民」が社会的な問題となっています。
― 人気者 ―
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よく移動している人は、その分その街の機能を使いこなしている人という価値観があるので、どれだけスマートかつ様々な場所へ移動できるか、そのノウハウや資格を持つ人が他人からの羨望を集めています。一部のエクストリーマーは、すれ違う人にさりげなく自分の移動頻度や入室可能な場所をアピールできるようなツールを用いることもあります。
― 不動産屋の売り文句 ―
47/100
移動しながら必要な機能を使いこなして暮らすこの街では、不動産屋の売り文句はこうなっています。
― 恋愛 ―
48/100
どこか1カ所に定住することもなく、他人との関係もドライになっているので、ナンパや合コンといったものも行われません。どうしても恋人が欲しい人は専用のスペースに行き、「恋人募集中」といった意味合いのサインを掲げ、同じ目的の人とマッチングするのを待ちます。そのまま継続的に関係を結ぶ人もいれば、その場限りの儚い恋もあります。
― 家族旅行 ―
49/100
目的に応じて常に様々な場所へ移動している日常生活と差別化するため、普段は使わない旅専用の乗り物で移動するということが旅行感を演出する重要な要素になっています。また、行き先も明確に決めず、のんびりと移動自体を楽しむということが贅沢な旅のスタイルとされて人気を集めています。
― お墓・死後の扱い ―
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様々な場所に分割して納骨する分骨が当たり前になっている上に、故人の骨を様々なデバイスに加工して身につける人も現れています。
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