誰とでもつながれる
― 街並み ―
51/100
家のなかからより広く深く世界中の人びととつながるようになった半面、現実世界で家の外を気にする人は少なく、建物の外壁には緑が旺盛に茂っています。
― オシャレ ―
52/100
人と会う時はアバター・ホログラムを介するので、そこでのバーチャルなオシャレが楽しまれています。ただ、現実世界ではすごくテキトーな格好をしている人がほとんどです。
― モビリティ ―
53/100
個人間の物流を超高速で行う「電書鳩」が世界的に普及しています。世界中の人と気軽に素早くモノがやりとりできるようになったためか、手紙を直筆でしたためることがブームになっています。
― 介護 ―
54/100
各国の時差をうまく利用した外国人による介護サービスが世界的に広がりをみせています。特に、日本人とは生活リズムがほぼ真逆になるブラジルの人びとには依頼が集まりやすく、彼らの介護技術はもはや日本人以上だともいわれています。
― 通勤・働き方 ―
55/100
様々な企業が本社をネット上に移したため、現実世界のオフィスはほとんどなくなりました。人びとは自宅にいながらも、ネットやホログラムを介して同僚たちと「面と向かって」意見をぶつけあって仕事をしています。
― お風呂 ―
56/100
入浴文化が世界中に浸透した結果、人びとはそれぞれのお風呂のなかでいかにみんなとつながりつつ楽しく過ごすか、ということを試行錯誤するようになりました。気のあう仲間とバーチャルな裸の付きあいを行いつつカラオケで盛り上がる「フロオケ」はトレンドのひとつです。
― 恒例行事 ―
57/100
すべての通信を完全にシャットダウンし、誰ともつながることなく自分だけに時間を使う日が設けられています。読書や映画をまとめて楽しむ人もいれば、ただひたすらに心を無にして時間が過ぎ去るのを待つ人もあり、過ごし方は人それぞれです。
― メディア ―
58/100
誰もがメガネやコンタクトレンズ型のデバイスを常時つけているのが当たり前になっており、あらゆる視覚情報がメディアとなっています。
― リビング ―
59/100
複数台のホログラム投影機が並び、それを介して世界中の人びととゆったり団欒する交流スペースになっています。
― 商店 ―
60/100
世界中のお店が集まるバーチャルな商店街で買い物します。大阪のおばさま方がメキシコの青年に「もっとまけて〜な〜」と値切るのも日常の風景です。
― キッチン ―
61/100
異国の友人と材料を送りあいそれぞれの伝統料理を一緒につくることが楽しまれています。一般の主婦が世界的な規模の料理教室を開くことも珍しくありません。
― 子どもの夕食 ―
62/100
世界中で同じ時間に同じメニューを食べている子ども同士が自動的につながり、食事をともにできるサービスが普及しています。
― ストレス ―
63/100
バーチャルで交流する際の自分のアバターをつくり込み過ぎた結果、現実とのあまりのギャップに自己同一性が保てなくなるケースが増加しています。
― ベストセラー ―
64/100
自宅から世界の人とつながって過ごすこの街では、こんな本が流行っています。
― 子どもの学び ―
65/100
アップデートを続けるネット上の世界に誰よりも順応するのは、いつの時代も子どもたちです。彼らはもはや教わる側ではなく、一番新しい「イマ」を発信し、高齢者にそれを教える先生となります。かわりに子どもたちも、高齢者とのコミュニケーションのなかで様々なことを学ぶようになります。
― 子どもの遊び・運動 ―
66/100
今まで現実に存在していたあらゆるスポーツや遊びがアバターを介してネット上で行えるようになり、子どもたちは日々世界中の人と腕を競っています。ただ、現実世界で身体を動かすわけでは当然ないため、子どもの肥満が世界的な問題になっています。ダイエットに取り組まず遊び続ける子どもには、そのリアルな体型を強制的にアバターへ反映するというお仕置きが待っています。
― マナー・ルール ―
67/100
人とのコミュニケーションはほぼすべてネットを介したものになっているため、誰かと交流する時はまず自分が広告botではないことを示さなければなりません。そこで重要になってくるのが「挨拶」です。世界中の地域とつながり昼夜の概念がなくなったことから、「おはよう」から「こんばんは」を兼ねた挨拶が生まれており、いつでもそれを使うのがマナーです。ちなみに、広告botはこの挨拶を使ってはいけないという規制があります。
― 恥ずかしいこと ―
68/100
世界中の人びととコミュニケーションをとりながら日常の様々なことを一緒に行うようになったことで、自分がどれだけ深く、どれくらいの範囲の世界とつながっているかが可視化され、常時公開されるようになりました。ただのランチでさえホログラムを介して世界中の「友達」を家に招くことがイケてるとされ、なんとなくひとりでいるだけで肩身の狭い思いをすることになっています。ただ、このような現象も過去数多存在したSNS隆盛期の雰囲気とよく似ており、いずれ「世界疲れ」のような揺り戻しがあるかもしれません。
― 三世代交流 ―
69/100
住む場所は遠く離れながらも、アバターを介しネット上の空間で常に一緒に過ごすといった生活スタイルをとる三世代家族が増えています。食事や入浴など日常生活の行動もアバターと常に同期しているので、一緒の食卓についたり、一緒にお風呂に入ったり、距離に囚われない一家団欒を楽しんでいます。
― 子守り ―
70/100
自宅にいながら常にネットとホログラムで世界中の人とつながっているので、介護と同様に外国人による託児サービスが世界的に広がりをみせています。ここでもやはり地球の反対側のブラジルの人びとが活躍しており、夜間の見守りをお願いできる貴重な存在として日本で人気を集めています。
― 人気者 ―
71/100
ネット上のもうひとりの自分(アバター)でほとんどのコミュニケーションを行えるようになっても、他者に対するアピールとして「見た目」が重要な要素であることに変わりはありません。服装だけでなく肉体までも任意に変形させられるようになり、オシャレであることのハードルが格段に高くなった分、みんなの「カワイイ・カッコイイ」を集められるアバターデザイナーやファッショニスタは一目置かれる存在です。
― 不動産屋の売り文句 ―
72/100
家にいながら世界とつながって暮らすこの街では、不動産屋の売り文句はこうなっています。・超速通信!(通信サービスレベルの高さが部屋選びの基準になっています)・ホログラム投影機完備!(今の時代でいう「エアコン完備!」と同じような感覚ですね)
― 恋愛 ―
73/100
現実世界で築かれる恋人関係だけでなく、ネット上で恋人を見つけ付きあうといったことが普通になっています。彼らは恋人となっても現実に会うことはせず、ネット上でのみ愛を育みます。リアルの関係がない分、いわゆる束縛も緩い傾向にあり、恋人の了承を得た上で平行して複数の人と恋愛関係を持つ人も少なくありません。
― 家族旅行 ―
74/100
世界と常時つながることが当たり前になっているため、わざわざお金をかけて海外旅行に行き異文化を楽しむといったことの特別感は薄れています。かわりに流行しているのが、宇宙旅行です。特に「宇宙人を探しに行こうツアー」や「火星の空に宇宙人へのメッセージを描こうツアー」が人気を集めています。
― お墓・死後の扱い ―
75/100
お墓もネット上に移行され、URLが墓標となっています。また、生前に個人データを蓄積しておき、死後AI化する故人も少なくありません。
まちの特徴
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