好きなようにこだわれる
― 街並み ―
76/100
ドローンによる物流が当たり前になり、あらゆることを自宅のなかだけで完結できるようになっているため、上空をドローンがせわしなく飛んでいる反面、外を歩く人の姿はほとんど見られません。
― オシャレ ―
77/100
誰にも気兼ねすることないので、自分のために純粋にオシャレを楽しむ人と、もはや何も身につけず裸族化する人と二極化しています。
― モビリティ ―
78/100
物流のメインは道路から空に移行しています。モノの方からどんどん家に集まってくるので人が移動する必要はなく、いわゆる「乗り物」はあまり発達していません。
― 介護 ―
79/100
介護ロボットが全家庭に普及しています。とりわけ、ロボットの外装を自分の好きな俳優やアイドルの見た目に換装するサービスは大人気です。
― 通勤・働き方 ―
80/100
遠隔で仕事ができる環境が整い、家と職場が完全に同化しています。出社する必要はなくなったものの、気分を変えるために家のなかに仕事部屋をつくりそこへ「出社」する人もいます。
― お風呂 ―
81/100
一部の人が趣味として入浴を楽しむ以外、ほとんどの人はお風呂に入りません。ただ、健康に支障が出ないよう、洗浄機能が付加された下着で最低限のケアはしています。
― 恒例行事 ―
82/100
年に1日だけ、家の外に出て太陽の下で一定時間過ごさなければならない日が定められています。ほとんどの人は開き直って楽しんでいますが、なかには意地でも外には出ないという人もおり、行政が介入する事態にも発展しています。
― メディア ―
83/100
ネットに接続された自宅の壁やあらゆる家電など、もはや家全体がメディアとなっています。例えばドローンから商品を受け取る際には、そのドローンに紐付けられた広告が家全体に展開されます。
― リビング ―
84/100
壁・床・天井など部屋全体に好きな映像や質感を再現できるようになっており、気分にあわせて空間を切り替えてくつろぎます。
― 商店 ―
85/100
買い物したいお店のショーケースを、商品の大きさや質感も分かるように家のなかに呼び出せるようになっています。
― キッチン ―
86/100
一部の料理愛好家をのぞいて、大抵の人は家のオート調理に料理を任せています。また、ドローンによるデリバリーでも、自宅の空間をガラッと変えてくれる「シチュエーション」が料理と一緒に届くようになっており、食事のエンタメ化が進行しています。
― 子どもの夕食 ―
87/100
子ども向けの食事と演出をドローンがセットで提供する「ハッピーデリバリー」が人気です。
― ストレス ―
88/100
ドローンが迅速に届きやすい空域に住むことが一種のステータスになっており、物流格差が社会的な問題となっています。また、ドローンから荷物を強奪するなど、「空賊」による犯罪行為も後を絶ちません
― ベストセラー ―
89/100
他人を気にせず、あらゆることを家のなかで済ませるこの街では、こんな本が流行っています。
― 子どもの学び ―
90/100
他人と接する必要がほとんどないため、学習も親が必要だと思ったことを自宅で行います。家庭によっては普段のリビングを教室として使用したり、別室に学習室を設けるところもあります。現在よりも、さらに親の影響を受けやすい世界ともいえます。
― 子どもの遊び・運動 ―
91/100
遊びといえば、自分の五感をすべて使い、現実と大差ない感覚でゲームの世界に没入できるVR(バーチャルリアリティー)ゲームが当たり前になっていますが、そのリアルさのあまり子どもの空間認識に重大な悪影響を及ぼすとのことで、ほとんどのソフトが18歳未満のプレイを禁止しています。かわりに、子ども向けのVF(バーチャルファンタジー)といわれる表現を用いたゲームがつくられていますが、どれもあまり面白いものではないようで人気はありません。
― マナー・ルール ―
92/100
ドローンがもはや生活に欠かせない重要なインフラになっている反面、人とドローンの間の事故やトラブルも増え、ルールも複雑化してしまっています。ドローンの通行をさまたげた人間への罰金が年々増えていった結果、自分が巻き込まれた場合にそなえた「保険」に入っておくのが暗黙のルールになっています。
― 恥ずかしいこと ―
93/100
人と交流する必要がなくなった反面、他人に直接何かをお願いすること自体が相当に勇気のいる、「恥」を伴う行為になっています。特に、見ず知らずの他人に対して無償で何らかの見返りを求めるような「お願い」をすることは究極の「恥」として、親が子どもに対して真っ先に躾ける事柄にもなっています。
― 三世代交流 ―
94/100
自分の思考パターンや知識などを保存しAIとして再現できるサービスが確立して以降、祖父祖母と孫たちの距離はぐっと近くなりました。家のなかでAIとして生きつづける祖父祖母たちは、いつでも会話ができ生活の知恵や日常の疑問に答えてくれる、孫たちにとってかけがえのない存在になっています。
― 子守り ―
95/100
一家で複数台のロボットを持つことが当たり前になっており、あらゆる家事や雑務、健康管理などをAIとロボットで行っています。子守りも例外でなく、特に片時も目が離せない小さい子どもには24時間体制でロボットをあたらせています。熱が出た時などの緊急事態はもちろん、運動不足を察知した時なども迅速に親に通知します。
― 人気者 ―
96/100
ほとんどのことを自宅内で完結できるようになっているなかでも、「食」は重要な楽しみとしてそれぞれの家庭で深く追求されています。たくさんいろんな種類の食べ物を食べられるよう、自分の空腹感を倍増してくれる技術を持った人が引っ張りだこになっています。彼らは薬などは使用せず、身体のツボを刺激したり催眠術など独自の技術を用います。その半面、食べ過ぎや肥満も社会的な問題となっており、満腹感を与える技術者も同様に重宝されています。
― 不動産屋の売り文句 ―
97/100
人びとが家から出ずに暮らすこの街では、不動産屋の売り文句はこうなっています。・ドローンポート完備! ドローン渋滞なし!(いかにストレスなくドローンをやりとりできるかが価値なのです)・日当たりゼロ!(外壁が傷みにくいことが人気になっています)・超速通信!(通信サービスレベルの高さが部屋選びの基準になっています)・ホログラム投影機完備!(今の時代でいう「エアコン完備!」と同じような感覚ですね)
― 恋愛 ―
98/100
他人と関係を持つことを必要最小限にとどめる人がほとんどの上、積極的にパートナーを持ちたいとは思わないという人も少なくありません。そんななか、どうにかして子どもは持ちたいと考える人同士で、目的を果たすためだけの「出会い」がムーブメントになっています。
― 家族旅行 ―
99/100
わざわざ自分で足を延ばして疲労するのではなく、旅行代理人に任意の土地に行かせてその様子を自宅で疑似体験するというスタイルが人気を集めています。代理人の視覚や音声はリアルタイムで送られ、こちらからの指示も適宜行えるので、よりハイクオリティに旅を楽しむために自宅の受信・投影設備をより高機能のものに整える人も少なくありません。
― お墓・死後の扱い ―
100/100
死体を有用な資源として様々に活用してこの世から「なくす」ことで、きっぱりと故人と線引きをする人が多いです。残るのは21バイトの電子証明書のみです。
まちの特徴
を見る