年代別ヒンド(頻度)ソングAI楽曲制作のプロセス
1989年に研究発表した「昭和ヒンド(頻度)ソング」(「生活新聞」)。当時は、昭和の曲の歌詞を分析した結果、抽出した頻出語を使い、研究員が作詞した曲を発表しました。今回のリバイバル研究にあたり、私たちは、現代であれば、AIで作詞、作曲することが可能なのではないか?と考えました。そこでAIや楽曲制作の専門家とタッグを組み、以下のプロセスで制作を進めました。
Step.1 各年代の楽曲で使用する「高頻度ワード」を選定
1980~2020年のオリコンランキング上位約4,100曲(※)について、歌詞に含まれる言葉を分析。1980年代~2020年代の各年代について他の年代に比べてヒット曲に多く登場する「高頻度ワード」を5つ選定しました。
※ 1980~2019年はオリコン年間シングルランキング上位100位、2020年のみオリコン年間合算シングルランキング上位100位のデータを使用しています。
Step.2 AIを使い、各年代の曲の作詞に着手
亜細亜大学教授の堀玄さんが開発した作詞システムを活用し、それぞれの高頻度ワードを含めることを条件として各年代ごとの歌詞を作成しました。
Step.3 AIを使い、各年代の作曲に着手
Step.2で作成した歌詞を、東京大学名誉教授の嵯峨山茂樹さんが開発した自動作曲システム「ORPHEUS(オルフェウス)」に入力。歌詞が異なるとAIが作るメロディも異なるため、歌詞のフレーズも数十パターン用意した上で「ORPHEUS」に入力し、作曲を進行。
Step.4 人の手で編曲・レコーディング
こうして出来上がったAI楽曲に、さらに各年代らしさを付与するため各年代を象徴する楽器の編成や音源の再現を人の手で編曲し、各年代ごとに歌い手を変えてレコーディングを実施しました。