「どちらともいえない」を許さない

「どちらともいえない」を許さない

2025.10.20

Thick Data
2025 10 月号

この例では、働いている人にやっていいことと悪いことをナタで割ってもらったケースを示しています。やっていいこと、悪いことなどというものは本来ケースバイケースで、はっきりどちらとは決めがたいものです。そこで逆に、、調査票から「どちらともいえない」の欄をなくしてみました。回答者の逃げ場をなくしてしまったのです。

人は様々な人間関係のなかで実にいろんな行動をとっているので、「良い・悪い」がはっきりしない(させない)ことが多いですし、、またそれゆえ人間関係がうまくいっているともいえます。「いくら何でもここまでは」とかいう言い方は実に曖昧なコンセンサスのなかで使われていて、「じゃあどこまで」と言われても「ここまで」と言えるもんではないのです。

だからこそ仕切りを立ててみることには価値があります。今まで立ってなかった仕切りが立ってはじめて、私たちは私たちの日常を再認識できるのですから。

「どちらともいえない」を許さない
「生活者発想の手口」とは?

近年、社会と生活のデジタル化が進むなかで「生活者発想」を実践するには、Long Data / Thick Data / Big Dataという3つの生活者データをもとにした生活者洞察が有効です。本コーナーではそれぞれのデータを活用した手口をご紹介していきます。

Thick Dataを用いた手口:
タウンウォッチングに代表される定性的な観察調査を活用して、虫の眼つまりミクロな視点で社会と生活者を覗き込みます。