車内カーラー女子

「車内カーラー女子」の衝撃 スマホ社会の無関心が育む寛容さ 

2026.03.23

2026 3 月号

3歳の子どもに「ママの絵を描いて」と頼まれて自画像を描いたら、「スマホが(描かれて)ないよ」と言われてしまうほど、常にスマホとともにある、スマホ依存な研究員の松井です。 

そんな私が、ある日の通勤途中、いつも通り電車でスマホを見ていたところ、たまたま顔を上げたタイミングで近くにいた女性にびっくり。前髪に大きなカーラー(髪を巻く道具)がついているではないか! リアルに二度見してしまいました。 「取り忘れたの?」と思って密かに観察していると、お友だちと思しき女性と話しているので、気づいていないわけではない様子。までが身だしなみの準備段階で、準備が部屋のなかか外かは関係ないのかもしれない、とも思い直し、ひとりで納得していました。 

不寛容な世の中だけれど

現代は、一人ひとりがマナーやコンプライアンスについて意識をするようになり、以前よりも他者の振る舞いや言動に厳しくなっている印象があります。なかには、保育園に「子どもの声がうるさい」と苦情が入るなど、行き過ぎた「不寛容さ」も目立つと感じることも。今回のカーラー女子について、最初は私自身もムムっ……と思ったのですが、電車のなかでカーラーをつけていても、メイクをしていても、誰かに迷惑をかけているわけではないし、周りも各々スマホに集中していて、そもそもほとんど誰も 気づいていなさそうでした。 

スマホがもたらす寛容さ?

ふと顔を上げて「電車でほぼ全員がスマホを見ている」のは異様な光景にも思えますが、実は他者への無関心、そして、ある種の他者への「寛容さ」につながっているのではないかと考えさせられました。スマホ依存は問題視されることが多いですが、ときには他者比較や他者攻撃が厳しすぎる現代において、スマホがもたらすこの「寛容さ」は、悪いものではないのかもしれません。 

車内カーラー女子
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