
「ダヨネの壁」を越えるには?
2025.08.18
Big Dataせっかくデータを分析しても、「そうダヨネ(調べなくてもわかるよね)」ということばかり だった、という事態は往々にして発生します。私たちはこれを「ダヨネの壁」と呼んでいます。
新しい発見を導くためには、全体からするとごく一部であったとしても、今まさに生活者の変化や盛り上がりが起こっているホットスポット(特定の場所以外にも、人、時間など) に大胆にフォーカスを当てることも重要です。例えば、クリスマス期間のオンライン家計簿データを調べると、365日平均に比べて一番支出額の伸びが大きかったのは、実は新潟県でした。さらに深く調べると、どうも家族の食卓を大事にする新潟県人の県民性がスーパーでの消費を押し上げているらしいのです。
あるいは、ひとりの主婦にフォーカスして生声分析を行った事例では、コロナ禍が本格化する前後で行動や意識が大きく変化した様子が鮮明に描き出されました。SNSにはひとりの人の行動や発言が時系列で蓄積されているため、変化の分析も容易です。このようにホットスポットにフォーカスすれば、「ダヨネの壁」を越える糸口がみえてくることも多いのです。

・参考:デジノグラフィ
「生活者発想の手口」とは?
近年、社会と生活のデジタル化が進むなかで「生活者発想」を実践するには、Long Data / Thick Data / Big Dataという3つの生活者データをもとにした生活者洞察が有効です。本コーナーではそれぞれのデータを活用した手口をご紹介していきます。

Big Dataを用いた手口:
デジタル空間上のビッグデータを活用して行動観察(エスノグラフィ)の視点で生活者の実態を読み解きます。