変化の要因となった出来事は何だ?
2025.12.15
Long Data生活総研はマクロ統計にも注目しています。特に時系列のデータは時代の変化を私たちに如実に示してくれるのです。例えば、人口動態や世帯数、就業者数、月収や貯蓄率の推移などのマクロ統計はインターネット上で公開されているものも多く、誰もが使えます。長期視点で今を知るのにもってこいなのです。
このグラフは専業主婦と共働きの世帯数の推移を表したもの。かつてマイナー だった共働き世帯が専業主婦世帯に追いつき、逆転したことが一目瞭然です。この変化の要因になったものは何なのでしょうか。
私たちは出来事を重ねることでそれを探ることが多くあります。初めて共働きが専業主婦に追いついた1992年は、一般的に1991~1992年といわれるバブル崩壊の時期にあたります。また、完全に共働きが上回りだした1997年には、3%から5%への消費増税がありましたし、世帯給与月収もこの年以降、伸び悩んでいます。変化に出来事を重ねることで、厳しくなる家計を支えるために専業主婦が共働きに転向した、という要因がみえてくるのです。

「生活者発想の手口」とは?
近年、社会と生活のデジタル化が進むなかで「生活者発想」を実践するには、Long Data / Thick Data / Big Dataという3つの生活者データをもとにした生活者洞察が有効です。本コーナーではそれぞれのデータを活用した手口をご紹介していきます。
Long Dataを用いた手口:
「生活定点」をはじめとする長期時系列の定量調査を活用して、鳥の眼つまりマクロな視点で社会と生活者を俯瞰します。