毎日1時間だけ
ひとりの時間をください。
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どうする?
「ひとり」行動を
はばむハードル
はばむハードル
新しい「ひとり」欲求を行動に移していくと、楽しそうでもあり、自分の成長にもつながりそうだとも感じてもらえたのではないでしょうか。でも、世のなかにはそうわかっていても、いろいろな理由で「ひとり」行動が叶わない人がいるかもしれません。実態はどうなのでしょうか?そして解決策はあるのでしょうか?
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あなたの「ひとり」行動の
ハードルは?
生活者のみなさんに「ひとり」行動で、最も大きなハードルになっているものについて具体的にうかがいました。
自由回答より抜粋
(2023年 20~69歳男女 2,400人 インターネット調査)
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「ひとり」行動が
苦手過ぎる人インタビュー
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いろいろと欲はあるのに、
解放できてません。
人見知りあなご さん(20代後半)
関東在住。自宅から片道1時間以上かけて職場に勤務している。命の危険を考え過ぎてしまったり、人見知りな性格から知らない人とのかかわりにハードルを感じてしまい、ひとり行動がなかなかできずにいる。
とにかく
人目が気になる!
買い物くらいならたまにひとりで行きますが、何かのついでじゃないと行きません。仕事が早く終わった日の帰り道など、仕事のついでに行きます。でも、周りを見てもひとりの人があまりいない気がして。自分がひとりなことが気になってしまいます。いざお店に入っても、店員さんには話しかけられたくありません。緊張してしまうので……。あと断れない性格なので、ひとりだと店員さんにのせられるがまま買い物をしてしまうのが嫌です。衣料量販店は、店員さんが話しかけてこないので行けます。もしくは、人が多過ぎてターゲットにされないお店。イヤホンで防御する人もいますが、私は「イヤホンが見えてないんじゃないか」とか考えはじめてしまうのでやっていません。
過去のひとり行動が
トラウマに
ひとり行動ができる人は、羨ましいです。ひとりでラーメン食べに行けたらいいな〜とか思います。でも、実際できないです……。実はきっかけになったことがあって。大学生のとき、回転寿司にひとりで行ったんです。その頃は特に何も気にせずひとり行動ができていました。そしたらそのとき、たまたまお店に同じ大学の集団が来ちゃったんです。「友だちいないんだ」と思われるんじゃないかと気まずい思いをしました……。隣の知らないおじさんにちょっと近づいて、知りあいのふりしちゃいました。地方の大学に通ってたんですが、地方あるあるだと思います。誰かに遭遇するリスクが高いんですよね。それからは、知りあいに見られるのが嫌で、ひとり行動ができなくなってしまいました。今でも職場の近くなど遭遇リスクが高いところは絶対行きません。
ひとりになるときは、
いつか人生で絶対来る
老後、夫が死んでしまったらひとりで生きていかなきゃならない。そのときのために、ひとり時間の過ごし方に慣れておかなきゃとは思ってます。ひとり旅とかも、自立してる感じがするのでやってみたいとは思っています。
ひとり行動中は、
自信のなさが出てしまう
ひとりショッピングは、高級なお店ほど接客が濃厚なので行けないですね。あっさりした接客のハイブランドができてほしい。ひとりで買い物に行くのが苦手なのは、「こんなおしゃれでもない人間が買い物をして」みたいに自分で思ってしまうのが根本にあるからかもしれません。
ひとり行動ができたら、
趣味が増えて、
知識や体験の幅も
広がると思う
ひとり行動ができないことに、今危機感を持っているわけではないですが、人が一緒にいないとできないことに不便を感じてはいます。自分の可能性が制限されているんだろうなぁ。
自分が食べたいものもすぐ食べられるし、やりたいこともすぐできるし、ひとり行動ができた方がいいなぁとは思います。
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「ひとり」行動に、
ハードルあり
これまで、「ひとり」行動を謳歌する生活者たちをご紹介してきました。こんなことまで!?という行動さえも「ひとり」でこなす生活者を見ていると、もう十分自由に「ひとり」行動ができるようになっていると感じるかもしれません。ところが、「ひとり」行動(ここでは、周りに人がいる・いないにかかわらず、自ら積極的に時間をつくって「ひとり」行動をすること)のハードル(さまたげ)があるかどうかについて聞いたところ、7割の人が「ひとり」行動のハードルを何かしら抱えているという結果が明らかに。「ひとり」行動をしたくてもハードルがあってできていない人、あるいは現在「ひとり」行動をしてはいるもののハードルがあって思い通りにはできていない人の存在も見逃せないものであると感じます。
「ひとり」行動をはばむ 4つのハードル
7割の人が持つ「ひとり」行動をはばむハードルとは、いったいどんなものなのか?さらに中身についても詳しく調査をしました。すると、お金や時間がないこと、配偶者・パートナーや子どもを残していく後ろめたさ、面倒くささや自分の勇気・決断力のなさなど、様々な領域にまたがることがわかりました。そこで、調査からみえてきた細かなハードルをもとに、「ひとり」行動をはばむハードルを大きく4つにまとめました。ここからは、「資源」「環境」「自意識」「対応力」の各ハードルについて、具体的な内容をみていきましょう。
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(2023年 20~69歳男女 2,400人 インターネット調査)
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毎日1時間だけ
ひとりの時間をください。
(東京都・39歳男性)
「ひとり時間は毎日欲しいですが、1時間だけでいいです。それ以上求めるなら、なぜ結婚したんだって話ですよね」とのこと。かなり現実的な願いですが、それがご本人にはちょうどいいのだそう。ひとり時間の確保にお困りの方は、1日1時間の交渉からはじめてみてもいいかもしれません。
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「人生でやりたい
100のことリスト」
つくってます。
今は資産などの関係で
実現できないことも、いつかやれるように。
(東京都・29歳男性)
この方は、結婚して家族と叶えたいことやもっとお金があったらやってみたいことも、とにかくリストにして残しておくのだそう。今は消齢化の時代ですから(「みらい博2023」より)、いくつになってもやりたいことを実現できると考えて、楽しみをとっておくのも手かもしれません。
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(2023年 20~69歳男女 2,400人 インターネット調査)
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LCCができてから、
家族の住む茨城と自分の住む石垣島とを
気楽に行き来
できるように
なりました。
(沖縄県・76歳男性)
環境保護のボランティア活動をするために単身で石垣島に残り、県外へ転居する家族と別々に暮らす道を選んだこちらの男性。格安航空会社ができたことで、「ひとり」の時間と家族との時間とを両立しやすくなったのだとか。自分の工夫だけではなかなか乗り越えにくい環境のハードルは、革新的なサービスや技術に助けてもらうのがよさそうです。家族の理解を得るためにスケジュール共有アプリで前もって予定を知らせたり、好きなコンテンツに没頭するためにノイズキャンセリング機能のついたイヤホンを使ったり、自分の「ひとり」欲求に合ったテクノロジーを探してみましょう。
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(2023年 20~69歳男女 2,400人 インターネット調査)
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ひとり行動が
できる人は、
比較しない。
競争しない。
模倣しない。
(東京都・30歳男性)
「ひとり行動ができる人とできない人の違いは何だと思いますか?」という質問に対してこの方は、以前本で「人が何かを欲するとき、他者の欲望のモデルを自分が模倣している」と読んだのが思い浮かんだそう。例えば「出世したい」と思っても、実は周りの人の「出世したい」という望みを模倣してしまっていることがあるのだとか。「これは本当に自分が望んでいることか?」という問いかけに自信を持って「YES」と言えるのが、「ひとり」行動なのかもしれません。
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(2023年 20~69歳男女 2,400人 インターネット調査)
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はじめてやるときは
ひとりじゃなく、
まず人に教わります。
(東京都・31歳女性)
この方は、ロードバイクにずっと興味があったがひとりではじめるにはハードルが高く、なかなか手を出せなかったのだとか。最近知りあいにいろいろ教えてもらいながらバイクを買い、ようやくはじめたそうです。最初は思いっきり人に頼るのが、安心して「ひとり」を楽しむコツかもしれません。
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とりあえず、
バイブス上がる
駅で降ります。
(東京都・24歳男性)
この方によると、知らない駅のベンチでコーヒーを飲むだけでも、立派なひとり旅なんだとか。予定を立てるのが苦手な方も、ピンときた駅で降りてみるだけで非日常感を味わえるかもしれません。
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最低限、
終バスと
終電だけは
調べておきます。
(東京都・23歳女性)
「ひとり」行動が苦手な人についてのアドバイスを聞くと、「行って帰って来られたらそれでOK。細かい予定は決めなくても、旅から無事に帰って来られるプランは用意しておいた方がいいです」とのこと。自分の対応力に不安がある方にとって、この心構えは非常に参考になりそうです。
「ひとり」欲求を解放している人びとは、自分なりの工夫やマイルールを持ち、豊かなひとり時間を実現しているようですね。「ひとり」欲求を解放するということは、ハードルを越えてでもやりたいことがあるということ。そのために自分で考えて行動するから、「ひとり」を楽しむ生活者はいきいきとしているのかもしれません。