数えて比べれば変化が見える

数えて比べれば変化がみえる

2026.05.18

Long Data
2026 5 月号

決して作詞家同士が打ち合わせをして、流行のキーワードを決めているわけではありません。しかし、昭和から令和にわたるヒット曲 約4,100曲、膨大な数の歌詞を紐解いてみると、そこには驚くほどはっきりと、時代ごとによく出てくる言葉があることがわかります。(ヒンドソング | 「生活者」展 1981-2021)

「歌は世につれ」というくらいで、世の中を映し、人の心にしみ入ろうとするのが歌詞ですから、無意識にひとつの方向に流れていくのかもしれません。やはりプロの仕事なのです。

世の中の動きを直接追うよりも、世の中を映し出す「言葉」を数えてみる。すると、単なる流行を超えた、力強い時代の幹が見えてきます。

例えば、かつてのヒット曲は「夏」に「夜」に「恋」をわずらう、といった、男女の情愛が主役でした。しかし、長引く不況や社会の変容を背景に、「空」を見上げ、「明日」を模索する形に歌詞は変化。近年は、「自分」の「手」で「未来」や「世界」を切り拓こうとする力強いメッセージへと変化しています。

また、一人称や二人称では、男性だけでなく女性も「僕」と「君」を使う場合が増えてきています。これは、特定の誰かへの恋文だけでなく、親友や家族、あるいは「推し」など、聴き手によって自由に解釈できる「開かれた関係性」を歌う楽曲が生活者の心を掴むようになったことを物語っているのです。

数えて比べれば変化が見える
数えて比べれば変化が見える
「生活者発想の手口」とは?

近年、社会と生活のデジタル化が進むなかで「生活者発想」を実践するには、Long Data / Thick Data / Big Dataという3つの生活者データをもとにした生活者洞察が有効です。本コーナーではそれぞれのデータを活用した手口をご紹介していきます。

Long Dataを用いた手口:
「生活定点」をはじめとする長期時系列の定量調査を活用して、鳥の眼つまりマクロな視点で社会と生活者を俯瞰します。