みらいのめ

さまざまな視点で研究員が「みらい」について発信します

2019.01.08

第25回

ボランティア活動が日常にある“みらい”

from 広島県

生活総研 客員研究員
中国四国博報堂

宮田 貴雅

ボラストーリーは突然に。

皆さんは、日常的にボランティア活動をしたことがあるでしょうか?それも積極的に。

お恥ずかしい話、私は、これまであまりボランティアに参加することはありませんでした。もちろん、近所の草むしりや小学校の掃除活動などの機会はあったのですが、何かを積極的にするまでのモチベーションに駆られることはなかったのです。
そんな私に訪れたのは、「子どもの武道離れストップ!」という相談でした。子どもが通う剣道場のライバル道場の保護者さんから、「子どもたちのスポーツ人口減少を食い止めることにつながるイベントをしたいのです。すべてボランティアなんですが」とお誘いがあったのです。困っている方を放ってはおけず、「それ、やりましょう!」と軽い気持ちでボランティアへ参加しました。

あとで調べてみると、広島市をはじめとする剣道・柔道の競技人口が減少してきており、地元新聞でも取材されるなど、ちょっとした社会問題になってきているとのことでした。

実行委員会、発足

すぐに6名が集まり、広島市や教育委員会への協力を仰ぎながら実行委員会として発足。「アクティ部」と名付けました。
イベントコンセプトは「“道”のつくスポーツや武芸を親子で体験し、その素晴らしさを感じてもらう」というものに。
剣道は「剣の理法の修練による人間形成の道である」と言われています。判断力、洞察力、会話力から成る「自ら考える力」。積極性、協調性、感性から成る「発言力」や「他人の考えを受けとめ聞く力」。そういったことを日々の修練から身に着けていくことができる日本古来の武芸です。なによりも、礼や挨拶、相手への感謝など、普段の暮らしのコミュニケーションにあるものが、一連の所作の中に含まれていることが魅力の一つです。
これらの魅力を何とか伝えるべくイベントを煮詰めていき、タイトルは「アクティブキッズフェスタひろしま」に決定しました。

ここまでの間にかなりの時間をかけ、知恵を振り絞ったように思います。いい大人6名の終わらない青春と、その情熱を子どもたちへつなげるもくろみに参加できたことが単純にうれしかったです。

突然、やってきた危機

後援者や協力団体も集まり始めたころ、あの7月の西日本豪雨災害が広島にやってきたのです。実行委員の中には甚大な被害を受けたメンバーがいたり、周囲の方の支援に行かれるメンバーもいたりと、イベントの開催自体が危ぶまれました。
しかし、8月下旬に何とか行うことができました。

竹刀づくりワークショップを行う参加者とボランティアの大学生

参加された親も子も楽しんでいただけてあっという間の1日が過ぎていきました。当日は地元新聞社も取材に訪れて、翌日の新聞には「剣道の愛好家でつくる実行委員会」と評されていました。
子どもたちが、こうして熱中する何かに出会えたのであれば、きっかけはなんだってよかったのかもしれません。そういう子どもたちがまた大人になり、みらいの子どもたちへとつないでいってくれることを願っています。

ボランティア活動を通してみつけた“みらい”

普段の私は生活者であり、できるだけ暮らしがより良くなる方を選びながら生活をしています。このボランティア体験では自分でも知らなかった、「より良い人生を選んでいる生活者としての自分」を新たに見つけられた良い機会でした。とにかく楽しかったですし、この気持ちは子どもたちにも伝えていかなければならないと思うのです。

災害と隣り合わせの日本において、ボランティア参加者は欠かせません。
今の小中学生にとって、ボランティアや課外活動は授業の一環として当たり前のことのようですが、親世代ももっと一緒になってボランティアへ参加することが大切なのではないかと私は感じています。
助け合うことが当たり前な「ボランティアがすぐ隣にある日本の“みらい”」に期待して、これからも活動を続けていきたいと思います。

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