「競いあうから」から「巻きこむ」へ

10年をかけ、ロボコンの大会運営に人びとの[好き]を集結させていく

宮川芳之さん

55歳男性 神奈川県

ETソフトウェアデザインロボットコンテスト( 通称: ETロボコン)東京地区実行委員長。選手として出場した翌年に東京地区大会を立ち上げ、以後10年にわたり運営に携わる。2016年の全国大会では、東京地区から悲願の初優勝チームが誕生した。
ETロボコンのホームページ http://www.etrobo.jp/

[好き]の未来を体現するかのように、高い熱量をもって自らの[好き]を追求している生活者たちがいます。彼ら・彼女らはまさに「好きの達人」!
生活総研では、そんな「好きの達人」たちにインタビューを行ないました。今回は自分の[好き]に周囲をどんどん「巻きこみ」、影響を与えながら、[好き]を拡大している達人のお話です!

自律制御型ロボットには、中毒性がある

ETロボコンは、全チームが共通の自律制御型ロボットを使用します。コースと課題を分析して搭載するソフトウェアを開発し、競技タイムとモデリングの精度を競うんです。10 年間、大会運営に携わってきましたが、1回の走行毎に発見があります。走行中に生じる誤差をロボットにどう修正させるか、途中の課題をどう確実に行わせるか、「そう来たか! 」と思わず唸るような、新しい発想でソフトウェアを組むチームが現れる。全く飽きさせない中毒性があるんです。

スタート前の緊張の瞬間

戦況を見守る。耳のインカムは大のお気に入りだ

元々は演劇の演出畑。無線インカムが無上の喜び!!

私もエンジニアで、始めは選手としてETロボコンに参加しました。そうしたら、「新しく東京地区大会を立ち上げるから、実行委員長をやってくれないか」と運営に巻きこまれちゃいました(笑)

これだけ長く続いているのは、中学から大学まで続けてきた演劇の影響が大きいと思います。演出畑だったので、無線インカムは無上の喜び。耳につけるとめちゃくちゃテンションが上がります(笑)

様々な課題をクリアしながらルートを進む自律制御型ロボット

「手を動かす」から、「巻きこみ、見守る」へ

東京地区大会を立ち上げて1~2年目は、運営メンバーも少なかったし、大会を回すこと自体がもう大変でした。自分自身が動き回ったという意味では、当時が一番、熱中の度合いは高かったかもしれません。でも、今はまた別の熱中が生まれているようにも思います。E T ロボコンは、大会本番の前にも講習会など様々なイベントや定例会が年間を通して行われています。体力勝負なところもあるので常に若い人を巻きこんでいかなくてはいけない。今、東京地区は30人ほどのメンバーで運営していますが、そのほとんどは私が声をかけ、巻きこんできた人たち。今は運営のほとんどの部分を他のメンバーがやってくれています。立ち上げ当初に比べて自分が手を動かすことは減ったけれど、いろいろな人たちを巻き込んで、しっかり見守るということが、今の私が熱中していることですね。

ロボットの見事な走行に、思わず笑みがこぼれる

運営は、様々な[好き]に支えられている

メンバーによって、運営の楽しみ方は全く違います。私のようにインカムをつけて進行をコントロールすることが好きな人間もいれば、審査が好きな人や、撮影がとにかく好き!という人もいます。それぞれが、それぞれの好きなこと、得意なことを持ち寄ることで、ひとつの大会が成り立っているんです。

進行から撮影まで、大会運営はすべてボランティアスタッフ によって行われている

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