好きの
達人3
「集める」から「生みだす」へ
これまでにない観光スタイルを生みだし、 根付かせる
鹿田智嵩さん
いわゆる観光名所ではないリアルなスポットを、“夕暮れ路地裏散歩”というスタイルで紹介するガイドグループ「弘前路地裏探偵団」の団長。2010年結成。地元の生活に密着した路地裏を通して地域の文化や歴史を見直す活動も行っている。
[好き]の未来を体現するかのように、高い熱量をもって自らの[好き]を追求している生活者たちがいます。彼ら・彼女らはまさに「好きの達人」!
生活総研では、そんな「好きの達人」たちにインタビューを行ないました。今回は既存のジャンルを乗り越えて、自分なりの新しい楽しみ方を「生みだす」達人のお話です!
好きな街を、好きなように紹介したい
元々「この街をどうアピールするか」はずっと考えてました。たしかに、「弘前桜まつり」や「弘前ねぷたまつり」など、全国でも有数の人出を誇るお祭りはあります。ただ、祭の期間はすごく短い。それだけに依存していてはダメだと感じてました。そんな時に訪れた「長崎さるく博’ 06」で、目からウロコが落ちたんです。その土地をただ歩くだけでこんなに面白いのか! と。「飾らない生活文化」こそが魅力的な観光資源なんだと確信して、弘前も「街歩き」で勝負しようと準備を始めました。
どうせならもっと面白く、誰もやっていないことを
元々、僕が旅行先でも名所そっちのけで路地裏巡りをするほど路地裏が大好きだったんです。ただの「街歩き」ツアーだとよそともかぶってしまうので、じゃあいっそのこと夜の飲み屋街を歩く路地裏ガイドにしちゃおうと。それに昔の探偵モノも好きだったので、いかにも「ガイドさん」みたいな格好はやめて、ボルサリーノ帽なんかもかぶっちゃおうと。そんな風にして「路地裏探偵団」のコンセプトが固まりました。
既存の観光スタイルへの挑戦
実は、スタート時の団員は2人だけでした。普通の観光ボランティアだと基本的に誰でもガイドになれるんですが、そんな風にいたずらに団員を増やすのは違うと思ったんです。人を楽しませることができるガイドをするのは、本来すごく難しい。ましてや前例のない「路地裏探偵団」なので、団員には人間力が不可欠なんです。小説とかに登場する「探偵団」も、みんな一人ひとりキャラが立っていますよね?だから、団員は今でも完全スカウト制です。こんなところも、これまでの観光ボランティアに対する挑戦でした。
各地に広がる「路地裏探偵団」
活動が徐々に認められて、今では年間1,000名以上のお客さんに参加いただいてます。団員も30名まで増えました。ほかにも、県内いろんなところへ招聘されて各地の特性を活かした街歩きコースをつくったり、ガイドの育成にも携わっています。函館には暖簾分けの「路地裏探偵団」もできました。ただ、どんどん勢力を拡大したい!という意識は全然ないんです。肩肘張らず、自然の流れに身を任せながら、自分が面白いと思うことを続けていきたいですね。
より詳細はこちらの書籍にて!