Part.3 “新・時間生活者”3つのルール Part.3 “新・時間生活者”3つのルール

2030年、時間の使い方はどう変わるのか?
20代を中心とした“新・時間生活者”へのインタビューからは、新しいスタンダードになっていくであろう具体的な行動、意識がみられました。そこから、未来の時間の使い方を決める、3つのルールを導きだします。
2030年、時間の使い方はどう変わるのか?20代を中心とした“新・時間生活者”へのインタビューからは、新しいスタンダードになっていくであろう具体的な行動、意識がみられました。そこから、未来の時間の使い方を決める、3つのルールを導きだします。

“社会のリアルタイム”より、
“自分のリアルタイム”に合わせる。

社会に合わせて予定を硬直的にするのではなく、自分が主権を持ち、予定を流動的にして、いつでも「今しか」「自分しか」できないことを選ぶ。

バルス祭には参加しない。
20代前半はそれぞれ好きなときに見て、
後日録画で見て#付きでバルスとツイートする。 ※宮崎駿監督の映画『天空の城ラピュタ』のテレビ放映時に、タイミングを合わせてTwitter上に「バルス!」と投稿して一緒に盛り上がること

「今やりたいと思うか」が判断基準。
社会変化のスピードが速すぎて、定年も寿命も、
当たり前が当たり前じゃなくなるので、
やりたいことも臨機応変に変わる。

今の働き方で絶対続けたいことは、
時間に縛られないこと。基本的に、自分が主語。
定時というのは嫌。

仕事中でも、「奥さんから呼び出されたから
遊んでくるわ」みたいに言える働き方がいい。

前職の公務員は、試験に受かれば
またいつかなれるので再現性が高い。だったら、
若い時代に、必要とされことを優先した方がいい。

Twitterはリアルタイム感重視なので、
ちょっと一生懸命すぎる。

博報堂生活総合研究所 時間に関する生活者インタビュー、SEEDATA トライブレポートより

時間を“短く”するより、
時間を“濃く”する。

時短が基本。しかし、ただ短ければ良いわけではない。効率だけではなく、情報量、作業量、熱量などを詰め込み、時間の濃さを追求する。

ドラマや動画は倍速で見ることが普通。
倍速なら、同じ時間で2〜3倍の情報量を
キャッチアップできるので、情報コスパが良い。

リアルタイムで見るテレビや映画は、
スキップできないので苦痛。
映画館は「この俳優さん誰?」と気になっても、
その場で調べられない。情報量が足りない。

海外旅行しながらでも、打ちあわせくらいであれば、
街なかを歩いているときに、ドキュメント共有で
スマホを見ながらできます。

リモートでの打ちあわせが優れている点は、
打ちあわせしながら、同時並行で自分の作業ができるところ。

昨今の結婚式事情でいえば、
披露宴・パーティは長くなっています。
予定調和的なことが減り、即興の演出や、
ガーデンに移動してシーンを変えることなどが増えている。

博報堂生活総合研究所 時間に関する生活者インタビュー、SEEDATA トライブレポートより

“いつ”より、“どこ”“誰と”で
モードを切り替える。

「○時だから」「○曜日だから」ではなく、そのときどきに即興で、移動して場所を変えたり、会う人を変え、モードを切り替える。

目標が達成できないとしたら、時間の使い方そのものより、
人を変える。人とのつきあい方と時間の使い方は
つながっているイメージ。

仕事の予定、場所は当日の朝決める。
「天気悪いし、そういえば軽井沢は紅葉の季節だな」
と思ったら、カフェに行く感覚で、軽井沢に行く。

細かい移動が好き。
切り替えのポイントを1日のなかで
必ずつくるというのは続けたい。

新幹線に乗っているときは
一番考え事ができる。
大学院や大学にいる感覚に近い。

友達に合わせて時間の使い方をシフトする。
オールする、ランチするなど、グループの特質に合わせて、
そのときどきでつきあう。

博報堂生活総合研究所 時間に関する生活者インタビュー、SEEDATA トライブレポートより

“新・時間生活者”がつくる、3つのルール。そこには、自分の時間を輝かせるための、一人ひとりの工夫や試行錯誤が詰まっています。同じルールに則って時間を再編しても、1秒、1分、1日、1週間……は千差万別です。人それぞれ異なるライフ・スタイルがその人の個性であるように、これからは、時間の使い方、タイム・スタイルも個性と捉えられるのではないでしょうか。むしろ、人生100年時代といわれるなか、大きな変化がなく、未来に想いを馳せがたい常温社会においては、身近な日々を整えるためのタイム・スタイルこそが、一番の個性であり、生き方を映しているといえるかもしれません。
写真 ライフ・スタイルから、タイム・スタイルへ。

“新・時間生活者”がつくる、3つのルール。そこには、自分の時間を輝かせるための、一人ひとりの工夫や試行錯誤が詰まっています。同じルールに則って時間を再編しても、1秒、1分、1日、1週間……は千差万別です。人それぞれ異なるライフ・スタイルがその人の個性であるように、これからは、時間の使い方、タイム・スタイルも個性と捉えられるのではないでしょうか。むしろ、人生100年時代といわれるなか、大きな変化がなく、未来に想いを馳せがたい常温社会においては、身近な日々を整えるためのタイム・スタイルこそが、一番の個性であり、生き方を映しているといえるかもしれません。

時間が溶ける。他者、社会に縛られず、ものごとを行う速度、時間帯、区切りを、自由自在にかき回して生活する。“新・時間生活者”のそのタイム・スタイルを、私たちは「時間が溶けている」と捉えました。より正確にいえば、溶けているのではなく、新しいルールに沿い、新しい心地良さを獲るため自ら「溶かしている」のです。これからの「時間のつくり方」は、「時間の溶かし方」になるのです。生活者一人ひとりが、時間を溶かし、再構築する、“タイム・ブレンダー(時間の調合師)”になるのです。

時間が溶ける。他者、社会に縛られず、ものごとを行う速度、時間帯、区切りを、自由自在にかき回して生活する。“新・時間生活者”のそのタイム・スタイルを、私たちは「時間が溶けている」と捉えました。より正確にいえば、溶けているのではなく、新しいルールに沿い、新しい心地良さを獲るため自ら「溶かしている」のです。これからの「時間のつくり方」は、「時間の溶かし方」になるのです。生活者一人ひとりが、時間を溶かし、再構築する、“タイム・ブレンダー(時間の調合師)”になるのです。2030年に向けては、生き方、人間関係、仕事、スキル、エンターテインメント、趣味、余暇など、多くのものごとが変わっていくでしょう。