『生活者の平成30年史』連載 第2回

平成の家計は停滞、「貯金すればいつか買える」が覆る

こちらは「日経BizGate」からの転載記事です。

第2回では、生活環境のうち、家計や雇用形態の変化について確認していきます。平成は、人口の激減、急速な少子高齢化、ひとり暮らしの増加などが起きた時代でした。『生活者の平成30年史』(博報堂生活総合研究所 著)の抜粋によって、平成30年間の生活者の意識や行動、価値観の変化を振り返ります。


家計は伸長から停滞へ。増えない、貯められない

昭和の時代、日本人には誰もがいつかは手に入れたいと思うものがありました。1950年代後半には「三種の神器」と言われた白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫が羨望の的となり、1960年代後半には「3C」のカラーテレビ ・クーラー ・自動車が続きました。また、自宅を購入することも「マイホーム神話」とまで言われ、日本人の夢のひとつでした。こうした夢を国民全体で共有できたのは、家計収入が年々高くなっていくという期待、そして頑張って貯金していればいつかは欲しいものを買えるはずという期待が前提にあり、多くの人がそれを疑わなかったからでしょう。

この前提もやはり平成に覆されます。図表2―1の「世帯給与月収(実質値)」は、1997年にピークの56.1万円となった後、減少に転じて現在も伸び悩んでいます。図表2―2の「家計貯蓄率」とは、おおまかには収入のうち貯蓄に回る金額の割合を示します(詳細は当該図表の備考を参照)。この数値は1985年には16.2%でしたが、その後低下傾向となり、2016年にはわずか2.2%となりました。平成の間に家計は、増えない、貯められない方向へと転じてしまったのです。

図表2-2 家計貯蓄率

誰もが働く社会へ

家計を60歳までの男性の稼ぎだけで支えるという生活モデルも、平成になくなりました。このモデルにそって設計されていた、国の配偶者控除や年金制度、企業の福利厚生制度などが、次々と見直されようとしているのは読者のみなさんもご存じかと思います。

女性の就労状況については図表2―3の通り、1980年代までは「専業主婦」がマジョリティでした。しかし、バブル崩壊後の1990年代後半に「共働き」が専業主婦を世帯数で逆転し、2017年には後者の2倍近くになりました。背景には、女性の就労環境の改善、産業構造の情報・サービス化などに加えて、男性の稼ぎ手だけによる家計では苦しくなってきたという事情もあるでしょう。

図表2-3 専業主婦と共働きの世帯数

→続きは日経BizGateのページからご覧ください。

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