研究タグ
2019.10.24

平成~令和の消費論 第2回

消費意欲低下は「ものづまり」が原因? 回避策は“手放す前提”の買い方

執筆者:十河研究員

こちらは、MONEY PLUSからの転載記事です。

生活者の新しい消費観・消費行動を解説する連載の第2回は、博報堂生活総合研究所(以下、生活総研)のロングデータを取り上げます。生活総研は1993年から、「ものを買いたい・サービスを利用したい」という気持ちが最高に高まった状態を100点とした場合、あなたの来月の消費意欲は何点くらいですか」という聞き方で、生活者の来月の消費意欲を聴取しています。調査結果をみると、調査開始当時は60点以上あった消費意欲は、最新の2018年では40点台にまで低下しており、現在も低下傾向が続いています。

総務省「家計調査」をみても、世帯給与月収が伸び悩んでいます。「お金がないから買えない」という側面はもちろんあるでしょうが、生活者の消費意欲が低下している背景には、別の理由もみえてきました。

※各年12月の季節調整値(12か月移動平均値) / 2010年までのデータは調査設計が異なるため参考値/グラフが欠けている部分は調査非実施

生活総研が今年5月に実施した「消費1万人調査」において、平成に登場した商品・サービス・政策・流行などを生活者に提示し、「自身の買い物や消費、お金のやりくりに対する考え方・行動に大きな影響を与えたと思う」ものを回答してもらったところ、全体の第5位に「断捨離」が上がりました(結果の詳細は連載第1回を参照)。

しかし、生活者が実際にどんどんものを捨てているのかというと、そうではないようです。別の質問で「自宅内に『ものが多すぎる』『ものがあふれている』と感じる」と回答した人は全体の69.6%、「まだ使えるものを自分で捨てることに抵抗がある」という人も70.5%と多く、どちらも女性と中高齢層の割合が高くなっています。

「ものが多すぎるけれど捨てられない」、そんな「ものづまり」のストレスが多くの生活者の間で起こっているようです。

なお、自由回答では「ものが多すぎて、新しいものを買いたいという気にならない」という声も聞かれました。実際、「家にものが溢れていると、新たなものを買うのをためらうほうだ」という人も68.3%にのぼります。ものが増える一方で出ていかないものづまりが、消費の流れを滞らせている可能性がうかがえる結果です。



→続きはMONEY PLUSのページからご覧ください。

この記事をシェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加
その他研究活動

買い物慎重派が60万円の高級時計を購入、決め手はサブスクでの“出会い”

2019.12.26
その他研究活動

夢は「日常生活すべてのサブスク化」
定額サービスを駆使する20代女性の価値観

2019.12.17
その他研究活動

2020年の生活者展望

2019.12.13
その他研究活動

フリマアプリで5000回取引、ヘビーユーザーの20代女性が買う“意外なもの”

2019.11.22
その他研究活動

「消費のルール」に縛られない10代、個人間取引の利用率は40代の2.5倍以上

2019.11.05
その他研究活動

人気コスプレイヤー・伊織もえさんに聞く 仮装とは大分違う「本気コスプレイヤー」の世界

2019.10.29
その他研究活動

「100均」「フリマアプリ」人気が示す、女性の「お得さ」志向

2019.10.17
その他研究活動

サマーセミナー2019 「消費対流
~『決めない』という新・合理~」を開催

2019.09.13
その他研究活動

“人気”と“おすすめ”は何が違う?
博報堂とヤフーが探る「みんな」の正体

2019.06.04
その他研究活動

【NHK放送文化研究所×博報堂生活総合研究所】 変わる「家族観」と変わらない「仕事観」 ──二つの長期時系列調査にみる生活者の意識変化

2019.06.04
その他研究活動

【時東ぁみさんインタビュー】アイドル、防災士、チャリティ……。いろいろな活動で、たくさんの人を笑顔にしたい──「アイドル」の平成30年史

2019.05.17
その他研究活動

【菊池武夫さんインタビュー】 洋服はカルチャーの一部だと思う──ファッションの平成30年史

2019.04.24

もっと読み込む

その他の研究をキーワードから探す