PART
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「好きの未来」はどうなるの?
日本人の[好き]の変遷をたどると、「モノ」の所有を喜びにした時代から、自分が体験できる「コト」の質を追い求めた時代を経て、現在は、好きなものごとを好きな人同士で共有する「トキ」を楽しむ時代といえます。
今後も、生活者の[好き]はいっそう能動的に変化していくはずです。
私たちは生活者へのインタビューや有識者へのヒアリングを通じて、その変化は3つあると考えました。
「もの」との関係 「集める」から「生みだす」へ
既存の知識やモノなどを「集める」ことに飽き足らず、それをベースに自分なりの新しい楽しみ方を「生みだす」ことに価値を感じる生活者が増えていくでしょう。送り手である企業が想定もしなかったイノベーションを引き起こす可能性があるのです。
「ひと」との関係 「競いあう」から「巻きこむ」へ
一人ひとりがオリジナルの[好き]を生みだすようになると、自分の[好き]に共感してくれたり、賛同してともに行動してくれる人が多いほうが嬉しくなります。「競いあう」のではなく、積極的に人を「巻きこみ」、ともに楽しむようになるでしょう。
「おかね」との関係 「注ぎこむ」から「身をたてる」へ
若者に話を聞くと、SNSの隆盛を前提に「[好き]がない人は存在しないのと同じ」と考え、「恋愛や仕事、買物で冒険しないと言われるが、自分の[好き]を貫くことにはこだわる」と言います。つまり、[好き]というアイデンティティを大事にするためにこそ、「身をたてる」生活者が増えるでしょう。
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