インタビューから読む
未来の時間意識
生活者インタビュー
横田 泰広さん
株式会社 TERASS、ディレクター、UI/UXデザイナー

28歳男性。大学卒業後、都内の市役所に2年間勤務。離職してソフトウェアメーカーに勤めた後、フリーランスに。現在は、IT関連のスタートアップ企業で働きながら、自身のデザイン会社を運営。その傍ら、社会人向けの大学院にも通う。

旅行中は、歩きながら仕事する。

メインとなるスタートアップ企業が、完全にフルフレックス、フルリモート可能なので、働く時間と場所に制約はありません。時間を区切るということはせず、土日も関係なく仕事できますし、休日も特に決まっていません。打ちあわせのように決められた時間以外は、1日の予定を自分で好きなように組み立てることができますから、時間の組み替えができるのは大きいと思います。場所に関しても、ニューヨークに旅行に行ったときに、働きながら旅行できるんだという経験をしました。打ちあわせであれば、ワイヤレスホンを使えば、街なかを歩いているときにもできます。ドキュメント共有でスマホを見ながら話もできます。結構仕事とプライベートがごっちゃになっているところはあると思いますが、僕の周りにはそういった人が多いですし、今は、年に4回気分転換も兼ねて旅行しています。

「お世話になっております」は送らない。

仕事の連絡はSlackオンリーで、メールは使いません。「お世話になっております」みたいなメールは、今の職場では送ったことがない。僕は、仕事の会話は個別に行わない方がいいというスタンスなので、オープンに共有できるSlackが便利だと思っています。電話は便利ですが、一対一でリモートで話した場合、記録として残らないのが課題で、リモートが優れている点は、打ちあわせしながら、ほかの作業ができるところでしょうか。誰の時間も無駄になっていない。 対面で会うことがリモートに勝っている点はなかなか言語化できないところがありますが、移動するコストと、お互い肌感覚を分かりあうコストを比べて、低コストで会えるならば、対面がいいのかなと。直接会って相手の顔色を見られることはいいことでしょうが、ビデオチャットもある。5Gの時代が到来すればもっと変わるでしょうね。一方で、リモートの場合、冗談を言いあったりはしないですよね。冗談を言いあうといった部分に関しては、僕はお金をかけてでも必要だと思っています。

自分の行動をすべて記録しておきたい。

基本的に、同じ手間を繰り返すのは嫌ですね。二回同じことを繰り返したら「これは効率化すべき」と思ってしまう。それが、その後の未来にあたってレバレッジの効くことなので。効率化することで、別の新しいことをできる時間が生まれるじゃないですか。

あと、未来の自分に良い作用が働くということでいうと、僕は、自分の行動や時間の使い方の履歴を、どんどんGoogleに吸わせたい。位置情報もGoogle マップに記録し続けています。いつでも過去の行動が検索できたり、未来の行動を自動的にレコメンドしてくれたりということにつながればいいなと。できれば自分の行動を全部インプットしておきたいので、うっかり記録を怠った日には、コンプリートできなかったととても喪失感を感じます。

再現性の低いことこそ大切にしたい。

長期的な目標や目指すものはないですね。ロールモデルがないから、というところもあると思います。それにどうせ1年後に別のことを考えているかもしれない。あまり逆算的に考えないですね。

ただ、時間の使い方が自由である分、その使い方は自己責任で、アカウンタビリティがあるという意識はあります。再現性の低いことからやっていく、という時間の使い方を心掛けています。僕は、大学卒業後、市役所に就職したのですが、また試験を受けて合格すれば復職できると考えて離職しました。優先順位のつけ方は、再現性の高低差によりますね。

今の時代は、会社勤めの人の方が、自分のキャリアにつながらない仕事や、合わない人との仕事など、自分で決められないことが多く不安なのでは?と思います。僕も、公務員のときにそう考えていましたし、離職した直後も不安はありました。でも、今のような働き方に慣れてくると、自分で管理できる分、目的を設定しやすく、どうとでもなると思いやすくなりました。   長期的な目標は先程言ったようにないんですけど、結婚、出産などライフステージによって変わってくることもあると思います。ただ、今の僕は、ステージによって何かが変わるのは嫌だなって思っていますね。

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