博報堂生活総合研究所 みらい博2024 ひとりマグマ 「個」の時代の新・幸福論 博報堂生活総合研究所 みらい博2024 ひとりマグマ 「個」の時代の新・幸福論

生活者インタビュー

ひとり行動を重ねて 知らない人に 対するコミュ力が 自然と上がった。

歩く人さん

歩く人さん

(23歳)

東京都在住。会社員。両親と3人で暮らす。一日一回街にいる猫の後を追いかけるのが趣味。猫の、人間の枠にはまらない行動に興味がある。

鈍行列車で行く、ひとり日帰り読書旅

子どもの頃、電車通学中に本を読むのが習慣でした。電車内が読書室として一番しっくりくるので、今でもそのためにひとりで電車旅へ。首都圏の電車だと終点に着くまで。一日時間があってJRに乗ると、静岡方面まで日帰りで行ったり。終点がないのがいいんです。「本を読みたい」という自分の欲望に対して、カフェだとコーヒー飲み終えたら終わりが来ますけど、電車は終わりなく読めるんです。腰が痛くなってきたら途中下車してご飯食べて、地元の人と話したり散歩したり。終わりを自分で決められるのが好きなんですよね。

鈍行列車で日帰り読書旅
近場の川にたどり着くこともあれば、静岡まで行くことも…

ひとりラオス旅で抵抗が消えた

2023年、ラオスに一週間のひとり旅に出ました。ラオスでは大気の具合から、同じ太陽でも日本と全然違って赤く見えるんです。5時間くらい浮き輪で川に浮かんでいたら、カヤックで通りがかった現地の人が缶ビールをくれました(笑)。ビールを飲みながら川を下るのが彼らの日常のようでした。ラオスは日本人旅行者が多くなく日本語で得られる情報も少なかったので、そのぶん現地の人にこまごまと聞く必要があって、普段より他人との会話量が多くなりました。過去に友人と行ったタイ旅行では、あまり人に話しかけなかったですね。これは自分の価値観が変わったと思う点です。ひとり行動を積み重ねることで、逆に人に話しかけることが増え、抵抗がなくなっていったのだと思います。

ひとりラオス旅
川に浮かんで太陽を眺めていたらカヤックで通りかかった現地の人から缶ビールをもらった…(^^)

自分の知らない誰かになれる

私はどこか日常に飽きているところがあるのかも。ひとりでの旅を通じて別の日常に紛れ込みたいんです。誰かと一緒に行く旅行は、「日常生活でも会う人と行った旅」として、日常の続きになってしまいますよね。でも私はできるだけ普段の日常とは切り離された、別人の自分としての日常を過ごしたいんです。

旅のなか、初対面の人に対しては「私は何がやりたくて、そのためにどういう選択をしています」って改めて話す必要があるじゃないですか。すると自分でも気づいていなかった「私ってこういうことをやりたかったんだ」「こういうことを楽しいと思えるんだ」という気持ちに気づくことができます。ひとりの行動だからこそ「自分の知らない誰か」になれると思うんです。