インタビューから読む
未来の時間意識
生活者インタビュー
久保 帆奈美さん
株式会社 Morning Labo プロデューサー

23歳女性。渋谷を拠点に日本全国で活動する朝活コミュニティ「朝渋」や、女性向けのマーケティング支援などを手掛ける株式会社Morning Laboに勤務。身の周りで起きた若者のリアルな最新情報をお届けする「ワカモノのトリセツ」をnoteで執筆中。

朝と夜の時間割をつくることで、
無駄な時間がみえてくる。

「朝渋」は、「朝はあなたの可能性が目覚める時間」を理念に、話題の本の著者をお招きする「朝渋イベント」や朝の部活動など、早起きをきっかけに人生を自分で選択できる人を増やす活動を行っています。「本当はこういう時間を過ごしたいけれど、残業などでできない……でも何とかしたい」、そういった課題を、朝の時間を有効活用することで解決したいと思っている20~30代の方が参加されています。「朝渋」では、まずコミュニティメンバーに朝の時間割と夜の時間割をつくってもらいます。理想の仕事の終わる時間、帰宅後から就寝するまでの時間、起床から出社するまでの時間に何をするのかを周囲に宣言する。時間割をつくることで、時間の使い方を自覚し、悪い習慣や無駄にしていた時間が浮き彫りになるので、時間の使い方の改善につながります。特に20代後半の参加者が多いと思いますが、転職などを考える時期に差し掛かることもあって、自分と向きあう時間やパワーアップするための時間を増やしたいのだろうと感じます。

動画は倍速で見る。
その方が情報コスパが良い。

中学3年生の終わり頃にスマホが登場し、YouTubeが広がり、大学生になる頃には動画をスキップできることが当たり前になりました。「早く答えにたどり着きたい、待てない」という感覚があって、ドラマや動画は倍速で見ることが普通です。倍速で見れば、同じ時間で2〜3倍の情報量をキャッチアップできるので、その方が情報コスパが良いと思ってしまいます。動画サービスでもスキップ機能がないものは、友だちと「ありえない」って話になります。リアルタイムのテレビや映画館で見る映画は、スキップできないので苦痛ですし、映画館では「この俳優さん誰だっけ?」と気になっても、すぐに調べられないので、情報量が足りなく感じます。

自分の“ご機嫌担保の時間”は、時短しない。

私の周りには、ドラマや動画を見るときに、自分の好きなところは何度も見直して、それ以外は飛ばす人が多い。興味がないところは徹底的に省いて、興味があるところだけに時間をかける傾向があります。「自分の好き」に時間をかける……私は自分の“ご機嫌担保の時間”と呼んでいますが、 朝ごはんをゆっくり食べたり、ストレッチに1時間かけたり、自分を上機嫌にさせる時間は、時短しようとは思わないです。苦手なことや重視してないことを時短して、その分、 自分を上機嫌にさせる時間に充てたいです。

また、夜の飲み会よりも、昼間のアフタヌーンティーの方が自分を上機嫌にする、幸せ感が高いと思っていますが、2〜3ヵ月に1回くらいオールをしたい、となったときには、グループを分けるというか、別のグループと行きます。グループの特質によって時間感覚が分かれるので、それに合わせて時間の使い方をシフトしている感じですね。

7日間をほどほどに楽しくする。

自分のライフプラン、ワークプランにとって、「今やりたいと思うかどうか」が判断基準です。社会の変化のスピードが速すぎて、自分には手に負えない変化――定年も寿命も、当たり前が当たり前じゃなくなることが多いので、やりたいことや夢も臨機応変に変わります。

同世代のなかには、「平日イヤイヤ働いて、金曜の夜にテンションが上がって、日曜の夜にまた下がる」というような落差の激しい生活をしている子もいます。でも、私はテンションの波が激しいと心が疲れる。例えば、今日が楽しさ0だとして週末に楽しさ100のイベントが待っていても、今日が楽しくないのにそれをモチベーションにして生きるのは嫌だなって。人生100年時代だとしたら、人生の3分の2を仕事に費やすことになるのに、辛い日が5日間で楽しい日が2日間って、すごく損な気がするんです。そうではなくて7日間がほどほどに楽しい方がいい。

だから、仕事とプライベートをあまり分けずに働くことが理想です。平日と休日の落差をつくらず、気分の波を常に一定で保ちたい。仕事=辛いには絶対にしたくないから、気がついたら仕事をしていたっていうような状況になっていたいです。

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