生活者インタビュー
ひとりだからこそ 年齢や国籍を超えた コミュニティに 飛び込める
サウナゆゆさん
(33歳)
京都府在住。両親と3人暮らし。京都のITコンサル会社にリモートワーク中心で勤務。未経験のことをするのが大好きで、K-POP推し活、ひとり旅、喫茶店巡りやサウナ巡りなど、幅広く趣味を満喫中。
K-POPにはまって新しい自分に出会う
K-POPの推し活にはまったのは、実はわりと最近です。今まで推し活はしたことがなかったので、新しい自分の側面に出会えた感じでした。友だちとか家族と一緒だと周りからの目が気になって、恥ずかしくて飛び込めない。だからこそ、ひとりで推し活をしているんです。
でも、ずっとひとりというわけではなく、推し活友だちはたくさんいます。ひとりで飛び込むからこそ、年齢や国籍を超えた新しいコミュニティに入っていけます。私からすれば、推し活においては、みんな先輩。教えてもらいながら新しい世界に飛び込めていて、ウェルカムな気持ちで迎えてもらっている。知識のシャワーを浴び続けている感じです。K-POPの推し活に求めていることは、海外のカルチャーを知ることと、言語を習得することです。もともと、語学が好きな自分にとっては、K-POPにはまって言語を学べていることはよかったと思っています。
ホカンスの夜に綴る旅日記
元来、未経験のことをするのが大好きな性格で、様々な趣味を楽しんでいます。なかでも、ひとりホカンス(バカンス気分でホテル滞在そのものを楽しむ旅行スタイル)はコロナ禍に入ってから頻繁に行っている趣味。自分の興味がコアな渋いところにあるので、人との共有が難しい気がしていて、ひとり行動が手っ取り早いんですよね。
基本的に旅はノープラン。何の予定も入れず、良さそうなホテルにただ泊まったり、地元の喫茶店に行ったり、銭湯やサウナを楽しんだりします。あと、旅先で意識していることは内省的になれる時間をつくることです。はじめて見たものに対してどう感じたか、旅先での人との出会いでどう思ったか、どんなものを食べたかなどを、旅の雑記帳に記録しています。旅先での行き当たりばったりを楽しみながらも、「自分の知らなかったことがこんなにあるんだ」という気持ちになるのが好きなんです。
心の動きもアップデート
ひとり行動は、自分の性格を再認識できるのも魅力のひとつだなと感じます。例えば推し活では、「自分もアイドルに夢中になれるんだ」と知れたり、海外のファンと交流することで「外国語を学ぶことがもともと好きだった」と思い出せたりします。また、旅先の夜にひとりで内省する時間を持っているのも、自分のなかに新しい思想が芽生えてくる感覚があるから。毎日見ているのとは違うもの、体験をひとりで振り返ることで、日常や見慣れた風景のなかで内省することとはまったく違った心の動きが芽生えます。
推し活でもホカンスでも、新しい出会いやコミュニティに疲れることはあります。ただし、疲れ以上に刺激的。疲れても得たい体験がそこにあるから続いているのかなと感じています。ひとりだからこそ、年齢や仕事、住んでいる場所に関係なく好きなことで集まれる友だちと出会える。普段の社会的な肩書にしばられない、いろいろなコミュニティを渡り歩ける。今後もそういう好きなことでつながれる生涯の友だちを増やしていきたいですね。