生活総研刊行物
概要
お金に対する生活者の価値観が変わりはじめています。
これまで、人々の多くはお金をたくさん持つことが幸せにつながると考えてきました。
しかし、いっこうに経済の回復を実感できないなか、この価値観が大きく揺らいでいます。
お金で自由を得るつもりが、逆にお金に縛られていないだろうか?
もしかすると、お金が生活をつまらなくしていないだろうか?
つまり、お金で自由になるのではなく、お金から自由になろうという価値観が台頭しつつあるのです。
お金そのものも大きく変わりはじめています。
これまで、お金は国・地域で単位や価値が違っていても、共通のルールのもとでやりとりがされてきました。
しかし、近年はフィンテックと称される技術の進歩で、お金が多様なカタチと仕組みを持つようになり、今までにない使い方や貯め方が可能になってきました。
お金を介して、人とつながったり、誰かの夢を応援しようと考える人。
〝お金は道具〟と割り切って、ゲームのようにやりとりを楽しむ人。
自分の価値観に基づいて、独自の経済圏を創ってしまう人まであらわれました。
つまり、生活者のお金との向き合い方が、より主体的なものへと変わりつつあるのです。
贈与と交換で始まった経済活動は、リアルな実体経済、目に見えにくい金融経済……という急拡大のプロセスを経て、いま再び人の手に戻ろうとしているのかもしれません。
この動きは、お金が本来持っていた自由と多様性を取り戻そうとする、いわば〝お金の民主化〟といえます。
そして、そこで生みだされる様々な「生活者通貨」こそが、定常化する日本経済を隅々まで巡る〝新しい血液〟になる……というのが、今回の『進貨論 生活者通貨の誕生』の考え方です。
本書では、まず生活者側から見たお金のこれまでとこれまでを整理しながら、未来に生まれるかもしれない複数の「生活者通貨」と、それを軸にした新しい経済圏のイメージをご紹介します。
この提言が、お読みになった方のビジネスと人生を活性化させるヒントになれば幸いです。
目次
はじめに
お金のあゆみ
お金のゆらぎ
お金のみらい
生活者通貨の誕生① 自力通貨
生活者通貨の誕生② 協賛通貨
生活者通貨の誕生③ 遊戯通貨
生活者通貨の誕生④ 連帯通貨
おわりに
付帯資料
登録情報
サイズ:A4判
ページ数:136
料金:4,333円(税抜3,939円)
著者:博報堂生活総合研究所
発行所:株式会社博報堂
発行日:2018/01/24