私の生活定点

博報堂生活総研による定点調査「生活定点」を見て気づいたこと、
発見したことをさまざまな人が語っていくリレー・エッセイです。

ロンブー田村淳が思う「かっこいい40代おじさん」とその理由
–日経クロストレンド 連載⑭–

生活総研 上席研究員/コピーライター

前沢 裕文

こちらは「日経クロストレンド」からの転載記事です。

今や40代真っ盛りロンドンブーツ1号2号の田村淳さん。年を重ねながら活躍の場を次々に広げている淳さんは、同世代である「40代おじさん」のことをどう見ているのか。博報堂生活総合研究所の前沢裕文氏(44歳)が話を聞いた。「おじさん」という言葉への考えから、世代間の分断、魅力的な40代おじさんまで、内容は多岐にわたり、洞察力に富んだ持論を展開してくれた。

後編はこちら>

40代おじさんであればロンドンブーツ1号2号の田村淳さんをご存じない方はいないでしょう。学生時代からまあまあのテレビっ子だったので、私もその活躍ぶりをリアルタイムで見ていたうちの一人です。

現在、淳さんの活動のフィールドは、テレビ朝日「ロンドンハーツ」や、テレビ東京「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」といったテレビ番組にとどまらず、YouTube「ロンブーチャンネル」、オンラインコミュニティー「田村淳の大人の小学校」、著書『母ちゃんのフラフープ』(ブックマン社)執筆などなど、縦横無尽に広がり続けています。また、2021年3月に慶応義塾大学大学院のメディアデザイン研究科を修了したことがニュースになったり、SNSの投稿一つ一つも相変わらず話題を呼んでいたり、以前にも増して一挙手一投足が注目される、“ニュースをつくるタレント”になっています。

そんな淳さんも、はや47歳。

あの無邪気、やんちゃに見える振る舞いや、屈託なく若々しい笑顔の印象からすると意外に思えますが、40代おじさん真っ盛りなのです。

今回は、様々な活動で、様々な人に会い、様々なことに考えを巡らし、様々な発信をしている淳さんが、ご自身が当事者でもある「40代おじさん」をどう見ているかお話を伺いました。話の内容は多岐にわたっています。時に軽妙に、時に熱っぽく。そんな淳さんの声を脳内再生しながらお読みいただければ幸いです。

「おじさん」がどんどんネガティブな言葉になっていく

前沢 裕文(以下、前沢)
博報堂生活総合研究所の生活定点調査では「43歳からがおじさん」という結果が出ています。そして、40代男性のデータを見てみると「イライラしている」「ストレスを感じる」人の割合が多いなどといった傾向があるのですが、淳さんご自身は意識、行動がおじさんっぽくなったなあという実感はありますか?

田村 淳(以下、田村)
そもそも僕は世間と比べるということをあまりしてこなかったので。母ちゃんも「よそはよそ、うちはうち」と言っていて、データでこういう傾向が出ていると言われても、あまりピンとはこないんです。

自分がおじさんとか若いとかいうことに本当に興味がなくて。人から見たらおじさんなんだろうなあと思ったことはありますけど、「おじさん」という言葉にいろんな意味合いが込められているじゃないですか、日本って。なんでネガティブな意味を込めて使いたがるのかなあと思いますね。

前沢:「おじさん」という言葉が持つイメージには、ポジティブなところもありますか? 明らかにネガティブな印象ですか?

田村:ポジティブなところはないですね、全然。ネガティブな言葉なんだと思います。当たり前のようにみんなが使っているけれど、誰もその使い方を振り返らないから、どんどんネガティブな言葉になっていくなあという気がしています。

前沢:使い方がネガティブになってしまっていると。

田村:他人におじさんと言うときは、何らかネガティブな要素が含まれているなあと思いますね。

僕は「じじい」って言っていました。若いときに上の人を「じじい」って呼んでいたのに近いと思います。年上の人たちの、凝り固まって固定観念がある部分と、経験値があるから、ある面では話に説得力を持つ部分があって。で、自分には夢と希望は多分にあって、でも成功体験はなくて、思っていることをうまく言語化できない……。言葉ではあらがいきれないけど、でも言葉としてぶつけたい、それで「じじい!」って言っていた。そういうどうにもならないざわざわした気持ちの集合体のような気がします。

若い人からすれば当然感覚が合う40代の人もいれば、合わない人もいるでしょうけど、今の40代は世代として人数が多いんで、合わない人に触れることも多いでしょうね。

→続きは日経クロストレンドのページからご覧ください。

 

<日経クロストレンド「30年のデータで解析! 生活者の変化潮流」>
第1回ーー 「43歳からおじさん」が調査で判明! 「7つの特徴」を大分析
第2回ーー 足りないのはお金より時間 40代おじさんの幸せは“時産”にあり
第3回ーー たこ焼きが1位? 和食が消えた? 好きな料理ランキング大激変
第4回ーー シュフからシェフに! オンラインで「我が家の食卓」が変わる
第5回ーー 40代おじさん必読! J.Y. パーク氏に学ぶ 「褒めワード」ベスト5
第6回ーー 世代間ギャップを学べる魔法の質問 「お金持ちって誰ですか?」
第7回ーー 「お金持ちへの憧れ」は徐々に減る?若者はなりたい自分を投影
第8回ーー 40代おじさんに黄信号 「男女平等感」が世の中とズレている!?
第9回ーー 40代おじさんの意識を精神科医が分析 悲しい性をメッタ斬り!?
第10回ーー40代おじさんの生き様は「30点」? 精神科医による処方箋
第11回ーー40代おじさんはキス派?ラブレター派? 二択から見える意識
第12回ーーZ世代とシニア、上司と部下の板挟みで、40代おじさんは右往左往?z
第13回ーー「40代おじさん」の妻は幸せか?夫婦間ギャップに見る危機
第15回ーー40代おじさん・ロンブー淳 人生満点じゃない理由は日光東照宮?

プロフィール

写真
ロンドンブーツ1号2号 田村 淳

1973年12月4日生まれ、山口県出身。バラエティー番組や経済・情報番組などでレギュラー多数。海外での起業、慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科への進学など、タレントの枠を超えて活躍の場を広げている。また、Twitter、Instagram、YouTubeチャンネル「ロンブーチャンネル」、オンライン/オフラインコミュニティー「田村淳の大人の小学校」の他、遺書動画サービス「ITAKOTO」の発案など、デジタルでの活動も積極的に行う

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