平成30年の家族
≒企業のプロジェクト
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モデルがなく、
模索しながら進んでいく -
メンバーの
自立性を前提としている -
メンバーの役割を柔軟に入れ替え、
その都度の課題に合理的に対処する -
メンバーが
緩やかに出入りできる -
ずっと続くとは
限らないと認識している
ここで挙げたものは平成30年の家族の特徴です。同時にこのしなやかな集団のあり方は、企業で頻繁に立ち上げられる「プロジェクト」の特徴とも似ています。唯一の正解がなくなり、多様な価値が「平らに成る」時代=平成。企業が、価値を手探りするには向かない縦割り組織ではなく、横に連携するプロジェクトを増やしたように、モデルを失った家族もまた変わってきたのです。
家族はいま、自立したメンバーが役割を柔軟に変えながら、そのあり方を組み上げていくプロジェクトになろうとしています。
「プロジェクト家族」に企業や社会のできること
家族の課題 ≒ プロジェクトの課題
そんな家族のために、企業や社会は何ができるのでしょうか。家族とプロジェクトが類似しているのであれば、「家族の課題」は「プロジェクトの課題」と捉え直すこともできます。企業でプロジェクトを進めていると、役割分担や権限委譲、コストやスケジュールの共有・管理、メンバー間の絆づくりなど様々な課題にぶつかります。これらへの対処で培われたプロジェクト支援のインフラや仕組みを、そのまま家族に応用する。企業や社会は、そんな発想で家族を支援できるのかもしれません。
プロジェクト支援の発想例
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役割分担
の支援 - 企業内のプロジェクトでは、役割の柔軟性ゆえに誰かに仕事が偏らないように、業務の総量や進行の「見える化」を行う場合があります。とするなら家族でも、妻に負担が偏る状況を見える化によって支援できそうです。
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権限委譲
の支援 - 意思決定がひとりに集中して個々が指示待ちにならないよう、プロジェクトではタスク別リーダーを決めたりします。ならば、リーダーを明示しないことが多い家族にも、この知恵は活かせるかもしれません。
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スケジュール
共有の支援 - メンバーの予定の把握や調整が難しいのもプロジェクトでよくあることです。そのため、スケジュール共有サービスの使用や、コアタイムの設定を行う企業もあります。個人化が進む家族にも同じ課題があるとすれば、企業のノウハウが活用できそうです。
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コスト管理
の支援 - プロジェクトでは、お金・時間・労力を含めた総合的なコスト感覚が求められる場面があるため、勤務ログでコスト検証したりします。総合的コストが曖昧な家事でも、ログ管理のような発想を持ちこむことで、家事の見直しや効率化を支援できるかもしれません。