育てるデジタル、信じるアナログ
両利き化する生活者
デジタル化が進む中で、アナログ的価値を再評価する兆しを分析。双方に価値を見出し両利き化させる生活者の姿を発表。
この先の未来は、他者に対して疑心や不信を抱えながらの暮らしが広がるのでしょうか。それとも、別の未来の可能性がありうるのでしょうか。
「信頼」の未来を探るためのキーワードは、
「あけるか? しめるか?」です。
私たちは、この先の未来、「疑心社会」に陥るリスクを回避するために、生活者が自分たちの手で信頼のつくり方を新たに生みだすことで、危機を乗り越えるはずだと考えました。
すなわち、信頼は「当たり前に成り立つ、所与のもの」ではなく、「自分たちの手で新たにつくりだすもの」という意識の転換です。
ただ、生活者が目指す方向性は、決して一様ではありません。生活者がつくりだす信頼のあり方は、画一的なものではなく、分散していくのではないか。複数の未来シナリオがありうるのではないかと、私たちは考えています。
なぜならば、未来に向けて
「人と人との関わり方」と「情報の伝わり方」が変化していくなかで、
信頼のつくり方の根幹に関わる2つの要件
それぞれについて、生活者がこの先望ましいと思うあり方が、大きく異なっているからです。
そのときカギとなるのが
という2つの価値観の分岐です。
物理的・心理的な“疎”が進んでいく未来。新たに信頼をつくりだすために、 「誰と信頼関係をつくるか」はまずはじめに考えるべき問いといえるでしょう。
人と接する機会自体が減少していくなかでも「可能な限り多くの人と関わりたい」という人もいれば、多様な人が暮らすなかでも「自分と似た価値観の人とのつながりを深めたい」という人もおり、いま生活者の考え方は二分しています。
他者との関係を“あける”か? “しめる”か?
望ましい人間関係のあり方がどちらに向かうかによって、そこでつくりだす信頼の形は大きく変わっていきそうです。
Q. 10年後の暮らしや人間関係の
あり方について、
どちらの未来が望ましい?
限られた人と交流することで、
自分の世界が豊かになる未来
多様な人と交流することで、
自分の世界が豊かになる未来
人との共通点や近さに
楽しさを感じて暮らす未来
人との違いや差に
楽しさを感じて暮らす未来
特定の人と、狭く・深い
関係をつくって暮らす未来
様々な人と、広く・浅い
関係をつくって暮らす未来
自分と同じタイプの人と
人間関係をつくる未来
自分と違うタイプの人と
人間関係をつくる未来
お互いが自分の情報を伝え、お互いのことを知りあうことは、信頼をつくりだすために必須の要件といえます。しかし、情報が「見えない」こと、情報が「見えすぎる」ことが同時に起こっているなか、情報をさらに見せる方が望ましいのか、見せない部分を保つ方が望ましいのか、生活者の考えはゆれています。
自分の情報を“あける”か? “しめる”か? 情報の伝え方をどうコントロールするかによって、信頼の強度や機能も異なるものになっていくでしょう。
Q. 10年後の暮らしや人間関係のあり方について、
どちらの未来が望ましい?
自分のことを伏せる方が
メリットのある未来
自分のことを明かす方が
メリットのある未来
互いの情報を限定的に開示することで、
対立や摩擦が少なくなる未来
互いの情報を積極的に開示することで、
嘘や疑いが少なくなる未来
相手や状況に合わせて、
自分の個性や特徴を使い分ける未来
相手や状況にかかわらず、
そのままの自分を見せる未来
個人データは個人で保有し、
それぞれで最適に活用する未来
個人データは社会に提供し、
社会の全体最適のために活用する未来
今回私たちは、生活者が新たにつくりだそうとする信頼の方向性として、4つの未来シナリオを発想しました。
信頼構築にまつわる2つの要件についての、生活者の価値観の分岐、
「関係」を“あける”のか? “しめる”のか?
「情報」を“あける”のか? “しめる”のか?
この2本の分岐軸を掛け合わせ、生活者の価値観のベクトルが向かう先を発想したとき、みえてきたのが、4つの信頼のあり方です。
未来につくりだされる「4つの信頼」について、それぞれの「信頼」が
どんな価値を生み、どんなベネフィットをもたらすのか。
ある4人の、2030年の暮らしを通じてみていきましょう。
