「30年のデータで解析! 生活者の変化潮流」
「43歳からおじさん」が調査で判明!
「7つの特徴」を大分析
–日経クロストレンド 連載①–
こちらは「日経クロストレンド」からの転載記事です。
43.24――。この残酷な数字は、博報堂生活総合研究所の2020年調査が突きつけた、「おじさん年齢」の分水嶺だ。40代おじさんの特徴を探ったところ、出るわ出るわ、残念な特徴が次々に浮き彫りに。生活総研による新連載「30年のデータで解析! 生活者の変化潮流」の第1回、第2回は、44歳の上席研究員が、自らに突きつけられた悲しい結果の数々を、涙を交えながらリポートする。
<後編はこちら>
「世の中的には、43歳からがおじさん」
のっけから自分の話で大変恐縮ですが、筆者は現在会社生活21年目の44歳。自分のことを若いだなんて言い張りはしないけれど、他人からおじさん呼ばわりされればイラッとして不機嫌になる、そんなお年ごろ。しかし、自分がどう思おうと、世の中的には私はもうおじさん。それは、例えのバリエーションが1980年代の『少年ジャンプ』漫画ばかりな我が身を省みるまでもなく、調査ではっきりと示されています。
「おじさん」とは、何歳くらいからを指すと思いますか。
43.24歳
博報堂生活総合研究所の長期時系列調査「生活定点」の2020年調査では、平均で43.24歳からがおじさんという結果が出ています。私、おじさんデビューしてました……(ちなみに、おばさんは平均43.12歳から)。
では、いつになったらおじさんを卒業するのでしょうか。「『お年寄り』とは、何歳くらいからをさすと思いますか?」という質問への回答は、平均68.66歳。つまり、43歳から69歳まで、およそ四半世紀の間を、男性はおじさんとして生きるということになります。
しかし、そもそもおじさんっぽさって何でしょう? 周りから「あいつおじさんになったな」と思われる理由はどこにあるのでしょう? おじさん認定される“印”を知るべく、生活定点でおじさんの入り口である「40代男性」の調査結果を追っていくと、予想以上にパンチの効いた、「7つの特徴」が並ぶこととなりました。
「40代おじさん」7つの特徴
許さない、闘わない、燃えない、連(つる)まない、直さない、人情派、庶民派
生活定点2020の調査は20年6月末から7月末にかけて実施しており、コロナ禍の影響が強く表れています。コロナの影響もあるとはいえ(ひとまず自分のことは全力で棚上げするとして)こんな人ちょっと好きになれない……。 こんな私たち「40代おじさん」が良い印象を持たれるにはどうすればいいのでしょうか。
ここからは、生活定点2020の調査結果を紹介しながら、40代おじさんの末端構成員として、調査結果改善のためのヒントを探ってみたいと思います。
コロナ禍で幸福度が上がった層、下がった層
40代おじさんに話を絞る前に、各性年代別のコロナ禍前後における幸福度の変化を押さえておきましょう。下記は、「あなたは幸せですか?」という質問に「幸せだと思う」と回答した人の割合を18年と20年で比べた結果です。
日本人の幸福度は全体平均では74.6%で、前回18年調査(76.3%)からー1.7ポイントだったのですが、性年代別に見ると数値の変化にかなりの差が出ていることが分かります。幸福度が最も上がったのは、前回は幸福度最下位だった60代男性で+7.8ポイント、最も下がったのは40代女性でー6.7ポイントでした(それだけ差が縮まってもまだ40代女性の方が60代男性より幸福度が高いのですが)。
そして、40代おじさん。前回から+3.2ポイントと幸福度が上がりました! しかも、ハナ差で20代男性をかわし、男性中で1位に。つまり、私たち40代おじさんは、「今の日本で最も幸せな男たち」なのです。その割に先ほど挙げた特徴には、ネガティブなものが目立ちました。一体どういうことなのか? まずは、特徴を一つひとつ詳しく追っていきます。
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<日経クロストレンド「30年のデータで解析! 生活者の変化潮流」>
第2回ーー足りないのはお金より時間 40代おじさんの幸せは“時産”にあり