第一弾「夫婦の力関係」編
「家族30年変化」調査結果を発表
妻は強く、夫は弱く
博報堂生活総合研究所は1988年から10年毎に、サラリーマン世帯の夫婦を対象にアンケート調査「家族調査」を行ってきました(1988年・1998年・2008年・2018年の4時点で実施)。30年間におよぶ時系列分析であることに加え、夫と妻それぞれに同じ質問を投げかけて反応のギャップをみるという特徴をもった調査となっています。
この30年間、日本では少子高齢化、晩婚化・晩産化、共働き世帯の増加などさまざまな事象が生じ、家族や夫婦関係を取り巻く環境は大きく変化しています。
こうしたなかで、家族・夫婦にまつわる意識や家事・育児などの行動はどう変わったのか。
今回の発表では、第一弾「夫婦の力関係」編として、家庭内のパワーバランスや望ましい夫婦の在り方意識などの変化に焦点を当て、ポイントとなった調査結果を中心にお伝えいたします。
なお、本調査は博報堂生活総合研究所で進めている研究「家族30年変化」の一環です。本調査を含む各種研究の成果については、サマーセミナー2018「家族30年変化」として、研究発表イベントやレポートなどで発表してまいります。
【調査概要】
◆調査地域:首都40Km圏
◆調査対象:妻の年齢が20~59歳の夫婦が同居する世帯 630世帯(夫630人・妻630人 合計1,260人)
◆調査手法:訪問留置自記入法
(※1988年・1998年・2008年を含む、調査概要の詳細はリリースPDF P.6参照)
【「家族30年変化」調査結果のポイント】
【家庭の総合的な決定権】
夫が過去最低、妻が過去最高でスコア最接近
- 家庭で総合的な決定権を持っている人について、「夫」との回答は過去最低に(1988年72.4%→2018年38.7%)。
- 一方「妻」との回答は過去最高となり(1988年10.1%→2018年30.3%)、両者のスコアは30年間で最も接近しました。
- 年代別では「妻が30代以下」の夫婦で、今回はじめて「妻>夫」の逆転が生じました。
【家庭の事柄の決定権】
働き方や子どもの人数、親との同居…強まる決定権の妻シフト
- 「妻が働きに出ること」や「親と同居すること」「子どもの名前」など家庭の事柄について、最終的な決定権が「妻にある」との回答スコアは30年間で最高になりました。
- 一方で上記項目の決定権が「夫にある」との回答は30年間下がり続け、過去最低になりました。
【夫婦像の理想と現実】
理想も現実も「友達夫婦」が最多。「亭主関白」は絶滅危惧種に?
-理想の夫婦像について、夫・妻とも最多の回答は「友達夫婦」(夫64.9%・妻79.5%)。
-現実の夫婦像でも「友達夫婦」が最多となりました(夫53.8%・妻57.3%)。
-「亭主関白」は理想でも現実でも、30年間で最低となりました(夫の理想:1988年50.2%→2018年17.8%など)。
【夫婦の依存意識(2018年のみ調査)】
「配偶者なしでは暮らせない」、夫が妻を上回る
-夫と妻それぞれに「自分は配偶者がいないと暮らせない」と思うかきいたところ、「そう思う」との回答は夫67.1%・妻59.5%となり、夫が妻を上回りました。
-年代別では、夫・妻とも「30代以下」で、「そう思う」との回答が高くなりました。
詳しくはこちらのPDFをご覧ください。