2019.01.16

「生活定点」で振り返る平成 第2回

それでも「現金派」という男女3人が語る理由

生活総研 上席研究員

三矢正浩

こちらは「東洋経済オンライン」からの転載記事です。

「平成」も終わりに近づいてきました。この「平成」はいったいどんな時代だったのか、生活者にどんな変化をもたらしたのか。
生活定点」などのデータを用いながらご紹介していきたいと思います。

ポイントで年10万円貯める人も

昨年末、スマホ決済のサービス「PayPay(ペイペイ)」が利用者に100億円ぶん還元するキャンペーンを発表。わずか数日で終了したこともあり、大きな話題になりました。同時期には「LINE Pay」でも還元キャンペーンが行われており、これらの動きを見て、キャッシュレス時代の本格化を感じた人も少なくないのではないでしょうか。

クレジットカード決済、交通系や流通系のICカード、決済機能を搭載した携帯端末・スマホ端末などの登場と、気付けば電子マネーは日常に深く浸透しています。

その魅力のひとつは、ポイントサービスでしょう。国内家電量販店で日本初の電子的なポイントカードが登場したのは、平成元年(1989年)。同年、航空会社でも航行距離に応じたマイルが貯められるサービスを開始。以降、様々な企業陣営が競うようにポイントサービスを導入してきました。

「日常の支払いはほぼキャッシュレス」というある40代男性は、「クレジットカードの使い分けや、ポイントが数倍つく特売期間中にまとめて買い物をすれば、年間10万円近くは貯まる!」と話していました。しっかり取り組めば家計へのインパクトも小さくありません。

それでは、日本人のキャッシュレスへの意識はこれまでどう変化してきたでしょうか。長期時系列調査「生活定点」を見ると、興味深い実態が浮かび上がってきます。


●お金に対する生活者意識・行動の変化

「日常的に電子マネーを使っている」
2006年12.1% → 2018年47.6%(+35.5pt)

「日常的に携帯電話やスマートフォンで支払いをしている」
2006年 2.6% → 2018年 10.7%(+8.1pt)

「日常的に企業が発行するポイントサービスを使っている」
2016年57.2% → 2018年62.7%(+5.5pt)

「クレジットカードを使うことに抵抗はない」
1992年28.0% → 2018年58.7%(+30.7pt)

電子マネーや企業のポイントサービスの利用は、年々日常的になっていることが数値からもわかります。1990年代には「カード破産」の問題が指摘されていたクレジットカードも、今では抵抗のない人が多数派です。

キャッシュレス化は、政府も積極的に進めようとしています。国内の「キャッシュレス決済比率」は現在20%程度ですが、政府としては2025年には40%まで高める方針です。さらに、2019年10月に予定されている消費増税に向けて、景気対策として「キャッシュレス決済なら増税分のポイントを還元する」という方法の議論も進行中。もはや「お金は基本キャッシュレス」というのが時代の趨勢(すうせい)であり、合理的な選択のようにも思えてきます。

とはいえ一方で、気になることもあります。依然として、現金中心で暮らす「現金派」の人たちは、いったいどのように感じているのだろう、ということ。

不便を感じていたりはしないのか? そしてこの先も、「現金派」を貫くのか? 実際のところを聞かせてもらうべく、機縁法(研究者の知人のつながりを介した被験者リクルーティング)で探した「現金派」だという3人の方(以下Aさん・Bさん・Cさん)に面談をし、お話を伺いました。

→続きは東洋経済オンラインのページからご覧ください。

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