ひとりだからこそ、 苦手なことにも 挑戦してみようと思えた
生活者インタビュー
ひとりビギナーさん(70代)
岡山県在住。妻と二人暮らし。定年退職後、現在は趣味の音楽活動や庭いじりを楽しむ日々。普段は妻に日常生活のあらゆることをやってもらう生活だが、東京で開催されるモビリティショーに行きたくなって、初めてのひとり行動を決意。そこから想像もしなかったひとり体験を経験することに・・・。
東京のモビリティショーに行きたい一心で、初のひとり行動を決意
妻と二人暮らしなんですが、普段は食事の世話から何から面倒なことは全て妻に任せっぱなしで(笑)。お恥ずかしながら、飛行機のチケットの手配や搭乗手続きなんかも自分でやったことはありませんでした。でも東京で開催されるモビリティショーにどうしても行きたくて、妻を誘ってみたのですが、友達付き合いや孫の世話で忙しいと断られてしまいまして・・・。でも次はいつ行けるか年齢的にもわからなかったので、思い切ってひとりで行ってみることにしました。
なんとか会場までたどり着いたのですが、事前に情報も調べず「行ってみたい!」という思いだけで来てしまったので、チケットがネットでの前売り制だということも知らず、そういうのも今まで全て妻に任せきりだったので買い方もわからずで、泣く泣く会場に入るのは断念しました。
ひとりで行動すれば、失敗も怖くない。ということを70代で発見
ここまで来ていったい自分は何をしているんだと、失意のどん底でしたね。僕の年代の男性は多いと思うのですが、失敗するのは恥ずかしい、そんな姿を人に見られるのは格好悪いという意識があるのですが、今回はひとりだったので、知り合いや家族に見られるということもないわけですから、案外失敗しても平気だな・・という発見はありました。この歳になると、自分の考え方や行動スタイルは固定的になりがちですが、新しい自分の感覚に出会えたのはひとりで行動してみたからだな、とも思いました。
ひとりで行動したからこそ味わえた充実感。その体験は、忘れられない強い思い出に。
その後気持ちを切り替えて、近くの市場にあるお寿司屋さんに入ってみようかと思ったんですが、どこのお店も人、人の長蛇の列。うわぁ・・参ったなと思ったのですが、今度はネットで予約などという面倒な手続きだけはなさそうだから、自分が最も苦手な「待つ」ということをやってみようと思いました。ちなみに誰かと一緒だと絶対に並んだりはしないので、これもひとりだからやってみようと思えたわけです。自分的には挑戦という感じでした。そして30分ほど並んで食べた鮨・・・これはもう美味かったです(笑)。
カウンターに座って、板前さんの手さばきを逐一見ながら感心し、出された鮨を存分に堪能する。目でも舌でも東京の寿司を味わいつくせた素晴らしい時間でした。
ひとりで行ったこともない場所に出かけていき、ひとりで行列に並んで、ひとりで鮨を食べて、、、。我ながらよくやってるなぁ!という充実感を感じましたね。これは友達や家族と一緒に行っていたらこんなに強い思い出にはなっていなかったなと思いますね。
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