「モヤコメが苦手です。」
堀江 煕
TOPICS2026.08.03
1.悪意はないがモヤっとしてしまう「モヤコメ」
普段、TikTok等のSNSコメントを見ていて「〜に似ている」と言うコメントを多く目に付きます。自分の好きなインフルエンサーや、アーティストが「〜に似ている」と言う言葉に要約されることに凄くモヤっとする。だって、その人のこと褒めてるんじゃなくて、他の視聴者に共感してほしいだけに思えるんです。
本当にインフルエンサーやアーティストを肯定したいのであれば、その人の「どこが良いのか」、「どんな部分が好きなのか」をコメントしてそこから「自分はどう思ったのか」をコメントして愛を伝えると思うのですがそれは私だけでしょうか。
ところで、タイトルについている「モヤコメ」ですが、SNS等で見られる、悪意はないがモヤっとしてしまうようなコメントを今回のコラムでは「モヤコメ」と勝手に名付けて話していきます。
このような「モヤコメ」に対して鬱憤がまだまだあるので今回のコラムでは、私のストレス解消のために書きました。その上でどういうコメントなら反感を買いにくいのか自分なりに考えたものも提案します。
どうか、お付き合いください。
2.私にとっての「モヤコメ」8選
今回のコラムでは、私にとってのモヤコメを8つ取り上げ、それぞれについて意見を述べていきます。
①「〇〇に似ている」
一見すると褒め言葉のようですが、よく考えるとその人自身を評価しているわけではないと感じます。「誰に似ているか」で語ることで、投稿主の個性や魅力を見ずに、既存のイメージに当てはめているだけではないでしょうか。また、このコメントは他の視聴者との共感を得やすく、自分の発言が受け入れられることを優先しているようにも見えます。その結果、本人へのリスペクトが置き去りになっている点に強い違和感を覚えます。
②「本家が乗っかると冷めるっていう人もいるよね」
この言い回しで特に気になるのは、「〜って人もいるよね」という逃げ道を用意しているところです。自分の意見であるはずなのに、あたかも世間一般の声であるかのように装い、責任を分散させているように感じます。はっきり言わずに他人を盾にする態度が、余計に不誠実さを強調しているのではないでしょうか。
③「何を目指してるの?」
努力して何かを発信している人に対して、この言葉を投げかける意味が私には理解できません。目標が明確であろうとなかろうと、挑戦している行為そのものを軽視しているように思えます。外野から簡単に言える言葉だからこそ、その無神経さが際立ち、頑張っている人の気持ちを削いでしまうコメントだと感じます。
④「〇〇っていうノリやん」
「ノリ」という言葉は便利ですが、それを使うことで発言の重さや責任を軽くしようとしていないでしょうか。たとえ冗談のつもりでも、そのノリで誰かが傷つく可能性は十分にあります。ノリを理由にしてしまうことで、相手の感情に想像力を向けることを放棄しているように見えてしまいます。
⑤「私もそういう時あった」
共感を示しているようでいて、どこか上から目線に聞こえるコメントです。「今はもうその段階を超えました」と暗に示しているようで、発信者との距離を無意識に作ってしまっていると感じます。寄り添う言葉であるなら、もっと対等な立場からの表現があるはずです。
⑥「頑張ってて可愛い」
努力している姿を「可愛い」と表現することに、私は強い違和感を覚えます。そこには評価する側・される側という上下関係が見え隠れし、無意識の上から目線を感じてしまいます。頑張っている人に向ける言葉は、「かっこいい」や「尊敬する」であるべきではないでしょうか。
⑦「なんで流行るかわからん」
世間と違う自分をアピールするための逆張りのように見え、楽しんでいる人たちの空気に水を差している印象を受けます。
⑧「一人っ子っぽい」
わがまま、甘えて育ったといった偏見を含んでいるようで、軽く使われるべき言葉ではないと感じます。
3.モヤコメについてのインタビューのまとめ
今回例に挙げた「モヤコメ」を他の人はどう捉えるのかをインタビューしました。
「はい」、「いいえ」は「2.私にとっての「モヤコメ」8選」が他の人もモヤっとするのかどうかを表しています。

「本家が乗っかると冷めるっていう人もいるよね」や「なんで流行るかわからない」というコメントに対しては、インタビュー対象者の全員が「はい」(モヤっとする)と答えました。これらのコメントに対しては自分のコメントに責任を持っていなかったり、逆張りをしている感じにモヤっとしたという声がありました。
また、「何を目指してるの」「そうゆう時あった」というコメントは共通して、上から目線でコメントしている感じや、聞いていないのに意見を投げかけてくる感じがモヤっとした要因として挙げられていました。
一方、冒頭で取り上げた「〇〇に似ている」というコメントは、すべての人にとってモヤっとするものではないことが分かりました。実際、軽い感想として受け取っている人もおり、感じ方には個人差があるようです。
私のように、見ているだけで引っかかってしまう少し神経質な人間(正直に言えば、めんどくさいタイプ)も確実に存在します。そのことを、コメントを書く側にはほんの少しでいいので意識してほしいと思います。誰かにとっては何気ない一言でも、別の誰かにとって後味が悪い言葉になるかもしれないのです。
4.モヤっと要素4選
次に、上記のインタビューを元に特にモヤっとすると言う回答が多かった4つの「モヤコメ」の要素を総合的に以下のように分析しました。
①「本家が乗っかると冷めるっていう人もいるよね」
「本家が乗っかると冷めるっていう人もいるよね」では責任から逃れるような言い回しの部分がモヤっとするという声が上がりました。自分の意見を誰かの意見としてコメントし、あくまで、コメントの投稿主に責任がかからないようにしている点がモヤっとポイントです。
②「なんで流行るかわからない」
「なんで流行るかわからない」では「逆張り」であったり、流行りに対してネガティブな個人の価値観をコメントしている点が「モヤっとポイント」として挙げられていました。
③「何を目指してるの」
「何を目指してるの」では目標が必要とは限らないという声や、他人が方向性を決めつけ批判する必要がないという部分がモヤっとポイントとして挙げられていました。
④「そうゆう時あった」
「そうゆう時あった」では需要のない共感や上から目線といった点がモヤっとポイントとして挙げられていました。
この分析を通して、「上から目線」「逆張り」「責任逃れ」といった部分が共通してモヤるポイントになりうるということがわかりました。次の5章ではどうすればモヤっとしない言い回しになるか私なりに考えてみます。
5.モヤ消しの方法3選
5章では、インタビューを通して分かった「上から目線」「逆張り」「責任逃れ」の3つのモヤっとポイントをどうすればモヤっとしなくなるかを考えていきたいと思います。
①「責任逃れ」
最初に「責任逃れ」です。責任を逃れるようなコメントは世間にセコい人間であることがバレてしまいます。高台に乗っているのにも関わらず防具ガチガチで戦車に乗って攻撃するのを見ると違和感を覚えます。コメント欄は戦場ではないのですから。
自分の意見を言う以上は攻撃をされる可能性を考慮した上でするべきです。
なので誰かの代弁者のふりをせず、相手へのリスペクトを持った上でコメントが求められるのではないでしょうか。
②「逆張り」
次に「逆張り」のモヤっとする要因としては、世の中の盛り上がりを抑制するような働きがある部分だと思いました。単に「なぜ流行っているのかわからない」と言うのではなく、流行っているものに対して「〇〇(流行っているもの)の面白い部分やハマる要素を教えていただけませんか?」と教えてくださいスタイルのコメントなら盛り上がりを抑制しないで済むと感じました。
③「上から目線」
最後に「上から目線」の問題点としては、コメントしている人の情報の開示量が少ないことであると考えました。動画投稿主はある程度の情報を開示しているのに対して、コメントしている側はどんな人が書いているかわからないという部分があります。そのため、コメントする際はコメント投稿主が匿名であるという自己認識を持った上で投稿することが必要なのではないかと自分なりに感じています。
6.まとめ
今回インタビューを行ってみて、インタビュイー全員の口調が強くなる傾向が見られました。口調が強くなるということは、それだけ多くの人がモヤコメに対して何かしら思うところがあるということです。しかし一方で、コミュニケーションの中で「モヤコメ」について言及したり、意識的に考えたりする機会が少ないことの表れであり、コミュニケーションとして共有され辛い話題であると同時に、マナー意識が芽生えにくいのではないのかとも思いました。
そして、投稿主にとってコメントとは、自分が頑張ってきた成果や向き合ってきた時間が伝わっているかを知るための一つの指標です。だからこそ、せっかくコメントを書くのであれば、相手へのリスペクトを忘れず、読んだ人が気持ちよく受け取れる言葉を選ぶことが大切なのではないでしょうか。 最後に自分の愚痴に付き合ってくださり本当にありがとうございました。
