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生活新聞1981 - 2006

1981年から2006年まで、社内資料として発行されていた「生活新聞」の概要を掲載しています。「生活新聞」とは、生活者の日常を研究員が独自の視点で洞察・研究し、社会生活から日常生活のディテールまで、様々な手法を用いて生活に迫った研究レポートです。

  • 円拾率の実験 
    1円玉で測る人と町

    電話ボックスに一円玉を置く、繁華街の路上に一円玉を置いてみたらどうなったか。好景気の88年も暮れようとしている時期にユニークな実験。電話ボックスに落ちている一円玉を拾う人は10人に1人の割合でしかいなかった。拾う人はスーパーの利用が多い主婦と1銭を笑わぬシルバー層に多かった。(この実験は消費税導入後の翌4月にも実施され、持ち去る人が倍になったことを証明)

    1988/12/20
  • 三えん時代
    縁・円・艶 80年代のえん環構造

    無境界現象、ミーイズム、薄くなる縁、円高、消費貴族、生活の国際化、心の豊かさ、時もちという「縁」「円」「艶」の3えん。80年代を総括して「3えん時代」としている。生活総研レポート、広告表現、出版ベストセラー等を具体的にトレースしながら解説。さらに縁→円→艶→縁という循環構造も指摘。

    1988/11/30
  • 内弁慶シンドローム

    日本中を仲間内志向の高い内弁慶達が席捲中。孤独派24%、外部志向派26%に比べ仲間内志向派は50%もいる。若者の特徴としては年上が苦手で自分と似た人が友人となる場合が多い。特に女は交友範囲も狭く深くつきあうといった傾向が強い。初対面で話ができるか、自分と合うか合わないかの判断などの調査データをもとに、若者の内弁慶傾向と女の同性志向についても言及。

    1988/11/07
  • オジャレのすすめ
    おじさんのおしゃれ

    「オジャレ」はおじさんのオシャレ。ドブネズミルックといわれる日本のサラリーマンのスーツ姿。ダサイというイメージが定着したおじさん達だが7割ものおじさんはおしゃれになりたいと思っている。おじさんがおしゃれになるために必要なことは「さりげなく」「目立たず」「がまん」。おしゃれになるための7ケ条。おしゃれ市場のマーケテイング論など。

    1988/10/17
  • フェアプレイ

    現代社会を不公平だと思う人が76%もいる。具体的には、税金91%、政治89%、株65%、入試63%、女性の立場57%。不公平感の10年変化も付した報告。さらに不公平によるトクとソンを、大人のトク、女のトクとソン、年上のトクとソン、生まれつきのトク、金持ちのトク等についてのナマの声を掲載。さらに許せる不公平と許せない不公平も分析。

    1988/09/30
  • 日米比較
    生活くらべ

    88年の生活定点調査の紹介に加えて、アメリカで実施した同一質問による結果を対照させた。人と違った行動をする人は、日本が15%、アメリカは45%だった。現在の幸福度は日本が81%、アメリカは69%。今後の幸福度は日本が57%、アメリカは89%で楽観的であった。消費態度の違いでは、価格にこだわる人の割合が日本34%、アメリカ68%で大きく違った。

    1988/08/31
  • ハーメルン現象
    音が人を集める、心を集める、お金を集める

    映像文化がいわれる時代だが、実は音が人を引きつけている。とくに若者は、音によってハーメルンの笛ふきに従うように反応する。音の中では、電子音、間欠音、半自然音の力が大きい。ポケベル、電子レンジ、カード式電話の終了音などの識別テストも実施した。商品、環境のハーメルン化の実態も、実例を紹介しながら、分析している。21分のテープ付き。

    1988/07/15
  • いま日本は二代目感覚の時代

    経営者や芸能界で、二代目が増えている。苦労知らずで派手、動物なら猫や犬。プラスの地点から出発する豊かな時代らしい現象である。しかし、二代目になりたい人は26%だ。親と比較されプレッシャーが強いせいだろう。また、実際にタレントなどにおいてジュニア効果はどのように効くのか。長島一茂などを分析しながら考察している。豊かさの継承がテーマになる時代だ。

    1988/06/30
  • ヒョーゲン菌

    無菌化した社会に対して、かつての雑菌社会から有用な菌だけもってきて「けしかける表現」を重視するヒョーゲン菌社会を作ろうという提案。日常性に根ざしたプラス感情だけでなく、超プラス感情またマイナス感情を活用して、感情活性化を図ろうとする。雑誌媒体別のヒョーゲン菌濃度、有望ヒョーゲン菌のキーワードによる提示。沖縄の現地報告も。

    1988/05/31
  • 竹下消費
    子団塊マーケットを探る

    第二次ベビーブームの子供たちがつめかける原宿を分析。表紙はいま流行のひまわり。メンタルマップを描いてもらうと中学生は竹下通りが中心。社会人は表参道を描く。中間の大学生は竹下+表参道。実際に通行人に回遊路を聞いても同じ結論だった。原宿に1万から2万円を持ってやってくる若者たちは、どこでどう遊び、消費をしているのかを徹底調査。

    1988/04/28
  • 期待値越え
    101点主義のすすめ

    人が商品やサービスに期待することが明確になってきた。その際に、各種の期待感の合ベクトルの方向性を満足させることが大切。しかも、101点をとることが必要。110点を出すと、次には120点を要求され、売り手は息切れする。150円のコーヒーと600円のコーヒーは、異なる期待値を持っており、それぞれ、その線を越えたモノだけが生き残るのだ。

    1988/03/31
  • 「水」商売
    水曜(平日)マーケットを考え直そう

    週末が休みでなく、平日が休みの人は世の中の1割から2割に上る。こうした人々は、すいている盛り場でさびしい思いをしたり、子供の運動会にも出られない。テレビ番組も、休日向けが見られない。平日は、専業主婦だけが、消費者市場に表れると思うのは間違いで、こうした「休日」を遊びたい人向けに、もっと工夫をすべきだという分析と主張である。

    1988/03/18
  • 科学マグマの噴出
    理科戦略の重要性

    超伝導ブームを背景に科学への関心を取材。科学技術への「憧れと希望と夢」(1945〜69)から「反発と嫌悪」(1970〜73)へ。そして、「無関心と当たり前」(1974〜80)を通過して「興奮と好奇心」(1981〜)の時期を迎えたという。とくに87年以降は、活性期をこえて、科学マグマが噴出する勢い。理科戦略の必要性、科学コミュニケーションの特性にも触れる。

    1988/02/29
  • 号外
    ミセス予報1988

    新聞に登場した女性関連記事は増加の一途。妻職兼備、妻権購入の進展が見られる。20代から50代までの女性たちがどう変化しているかを詳報している。69%の女性は、88年は「いい年になる」と予測。今年始めたいことは書道、仕事、子育てに専念、旅行などが上位。ほしい商品として音の静かな洗濯機、洗髪洗面台、自動パン焼き器、ナイスミディパスなど。

    1988/02/10
  • 88年、艶の時代
    「ほのじかけ」と「国際化」が生活を変える
    生活予報1988紹介号 ほのじかけ
    調査年報1988紹介号 生活の国際化

    生活予報88と調査年報88の紹介号。艶の時代とは、豊かさが色気づくと「艶」になるということで、豊かさの上の段階を高質化・上品化・大人化・文化化・国際化という流れのもとで、キーワードごとに説明している。調査年報の「生活の国際化」は、国際融合度をヒト・モノ・文化・情報などを軸に調査分析している。バブル経済膨張期の時代雰囲気を表している。

    1988/01/25