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生活新聞1981 - 2006

1981年から2006年まで、社内資料として発行されていた「生活新聞」の概要を掲載しています。「生活新聞」とは、生活者の日常を研究員が独自の視点で洞察・研究し、社会生活から日常生活のディテールまで、様々な手法を用いて生活に迫った研究レポートです。

  • ヒョーゲン菌

    無菌化した社会に対して、かつての雑菌社会から有用な菌だけもってきて「けしかける表現」を重視するヒョーゲン菌社会を作ろうという提案。日常性に根ざしたプラス感情だけでなく、超プラス感情またマイナス感情を活用して、感情活性化を図ろうとする。雑誌媒体別のヒョーゲン菌濃度、有望ヒョーゲン菌のキーワードによる提示。沖縄の現地報告も。

    1988/05/31
  • 竹下消費
    子団塊マーケットを探る

    第二次ベビーブームの子供たちがつめかける原宿を分析。表紙はいま流行のひまわり。メンタルマップを描いてもらうと中学生は竹下通りが中心。社会人は表参道を描く。中間の大学生は竹下+表参道。実際に通行人に回遊路を聞いても同じ結論だった。原宿に1万から2万円を持ってやってくる若者たちは、どこでどう遊び、消費をしているのかを徹底調査。

    1988/04/28
  • 期待値越え
    101点主義のすすめ

    人が商品やサービスに期待することが明確になってきた。その際に、各種の期待感の合ベクトルの方向性を満足させることが大切。しかも、101点をとることが必要。110点を出すと、次には120点を要求され、売り手は息切れする。150円のコーヒーと600円のコーヒーは、異なる期待値を持っており、それぞれ、その線を越えたモノだけが生き残るのだ。

    1988/03/31
  • 「水」商売
    水曜(平日)マーケットを考え直そう

    週末が休みでなく、平日が休みの人は世の中の1割から2割に上る。こうした人々は、すいている盛り場でさびしい思いをしたり、子供の運動会にも出られない。テレビ番組も、休日向けが見られない。平日は、専業主婦だけが、消費者市場に表れると思うのは間違いで、こうした「休日」を遊びたい人向けに、もっと工夫をすべきだという分析と主張である。

    1988/03/18
  • 科学マグマの噴出
    理科戦略の重要性

    超伝導ブームを背景に科学への関心を取材。科学技術への「憧れと希望と夢」(1945〜69)から「反発と嫌悪」(1970〜73)へ。そして、「無関心と当たり前」(1974〜80)を通過して「興奮と好奇心」(1981〜)の時期を迎えたという。とくに87年以降は、活性期をこえて、科学マグマが噴出する勢い。理科戦略の必要性、科学コミュニケーションの特性にも触れる。

    1988/02/29
  • 号外
    ミセス予報1988

    新聞に登場した女性関連記事は増加の一途。妻職兼備、妻権購入の進展が見られる。20代から50代までの女性たちがどう変化しているかを詳報している。69%の女性は、88年は「いい年になる」と予測。今年始めたいことは書道、仕事、子育てに専念、旅行などが上位。ほしい商品として音の静かな洗濯機、洗髪洗面台、自動パン焼き器、ナイスミディパスなど。

    1988/02/10
  • 88年、艶の時代
    「ほのじかけ」と「国際化」が生活を変える
    生活予報1988紹介号 ほのじかけ
    調査年報1988紹介号 生活の国際化

    生活予報88と調査年報88の紹介号。艶の時代とは、豊かさが色気づくと「艶」になるということで、豊かさの上の段階を高質化・上品化・大人化・文化化・国際化という流れのもとで、キーワードごとに説明している。調査年報の「生活の国際化」は、国際融合度をヒト・モノ・文化・情報などを軸に調査分析している。バブル経済膨張期の時代雰囲気を表している。

    1988/01/25
  • 優雅な生活

    1980年の時点で買回り品の購入重視点は、デザインが品質や低価格を抑えて上位に来ていたが、1987年でもデザインがトップであった。デザインが生活の真ん中に位置するようになって、あらためてデザイン・機能・品質といった生活者がモノに求める要件の有り様を世代別・性別に考察。良きデザインへのこだわりに、「こころの時代」の到来を予感。

    1987/12/23
  • 男女消費 

    犯罪の影に女性があるごとく、人々が消費するときその背後に異性の影があるのではないか、との仮説に立った「異性消費」特集。消費のパターンを清水効果、孔雀効果、見返効果、時間効果の4つに分類、同時に男女消費が増大した10代要因を列挙した。また東京・横浜の16地点で来街客の同伴率を計測し、同伴消費の拡大は街全体の活性化にもつながることを示唆している。

    1987/11/30
  • 新・サラリーマン憲法

    高度成長期を支えてきた働きバチが中年から初老期に、団塊世代のボリュームゾーンは中間管理職に、そして新たに新人類たちが参入することによって、サラリーマンの社会は3つの種族が混合する次第となった。それぞれの種族は過去の生活体験がまったく異なるために、せめぎあい、妥協し、無視しあいながらも、そこには新たなルールや常識、そして憲法が生まれつつある。

    1987/10/28
  • 酒場の社会学
    「ハードバーの時代」

    物販的な「アンテナ・ショップ」に代わり、飲食店を企業の情報受発信拠点にする動きが目立ってきた。六本木のハートランド(キリン)やインクスティック六本木(シャープ)などの実態を紹介。こうしたアンテナ・ショップ以外にも本格バーの出現に注目。外見的には「カフェバー」と似ているが、酒の品揃えやバーテンの技術にこだわった「質」の重視に「ハードバー」の神髄を見た。

    1987/09/30
  • 消・費・年・表
    新・格差時代の到来

    日本経済の実態や発展推移の尺度として、国民総生産(GNP)が偏重されているのに対して、消費という側面、言い換えれば「生活者」に視点を置いた新しい指標によって時代を切ってみようという試み。昭和20年から現在までをそれぞれの時代の平均所得や貯蓄高、栄養摂取量などをふまえて貧困日本・格差日本・中流日本・差異日本・新格差日本の5つに区分し、戦後の日本経済を辿った。

    1987/08/31
  • 顔印商法 

    大量生産・大量販売の結果として、無言の応対やモノの高品質横並びが日常化するなか、生産者や販売者の「顔」を重視した商法が生まれ始めている。題して「顔印商法」。生産者名入りの「顔つき生鮮食品」、調理人の名前で売る「花板グルメ」、ハウスマヌカンに代表される「お使い姫商法」、古典的「お茶屋商法」、店員を指名できる「ドラフト商法」の5タイプに分類し、各々の可能性を探った。

    1987/08/05
  • ドリーム・ハウス
    もっと、内住の拡大

    衣食は足りたものの依然貧しさイメージがつきまとう日本人の住意識。「国際居住年」でもあり、住宅への関心も高まる気配があるなかでの住宅コンセプト(=ドリーム・ハウス)調査。自分だけの空間だけを絵にする人、30分かかってやっと間取りだけの主婦など、後回しにしているうちに夢の家さえ描けないほど住まいへの想像力が広がらなくなってしまった生活者の現実が浮き彫りに。

    1987/07/06
  • ぼっ、ぼっ、ぼくらは新中年。
    元祖新人類の逆襲

    新中年の第一走者もこの年ついに40歳なので「それからのスニーカー・ミドル」を特集。男女200人に今の心境と今後の予測を聞いた。人生の折り返し点でいささか疲れもみえる男たちに対し、子育ても一段落して、さあやるぞの女性軍といったところだが、総じて気分はノスタルジー。おりからのレトロブームのさなか、こっちこそ元祖だぞと、過去への思い入れはつのる一方だ。

    1987/06/17
  • アフター5・リゾート
    わたし、もう六本木じゃ遊べない

    盛り場特集。都心の地価高騰・タウン情報過剰・車の利用増といった3大要因によって、カフェバーに代表される既存の盛り場から若者が離れつつある。仕事のあとに立ち寄れ(アフター5・リゾート)、車がとめやすく(Pゾーン・ショップ)、意外な場所や非日常的空間が新しい盛り場の条件。八雲、駒場裏、白金台、裏参道、芝浦など 、注目の新盛り場を現地取材している。

    1987/05/29
  • 言語摩擦
    新人類のコミュニケーションを考える

    「マジ」「サイテー」「アブナイ」などなど新人類の言葉づかい、言語体系、会話形式は、旧人類にとっては理解不可能な箇所が多くコミュニケーションギャップのもととなっている。新人類のコミュニケーションを取り上げ、世代摩擦の解消に迫る。新人類会話の特徴は、1.言葉だけに頼らない。2.論理を伝えるよりも感情を伝えようとする。3.一方通行でも不満に思わない。

    1987/04/30
  • 看板各駅停車
    古くて新しい広告、看板調査報告

    看板類は、駅のイメージ、沿線のイメージ、街のイメージなどに大きな影響を与えているのでは?という動機から、関東の私鉄9線、国電2線、関西の私鉄2線の計288駅の看板を分類。結果をもとに「医療機械」「不動産・建設」「ギャンブル・質・サラ金」「学校類」「カルチャーセンター・スポーツクラブ・自動車教習所」の看板が、全看板に占める割合、枚数により各沿線の特徴をまとめた。

    1987/03/31
  • 僕らは均等ちゃんカップル
    ニュースタイルの夫婦たち

    男女雇用機会均等法が適用されるのを機に、ワーキングカップルについて、仕事以外の家事、消費も含め、生活実態を明らかにした。収入の差も少なく、家事分担もきちんとしている新しいタイプのワーキングカップルを「均等ちゃん」と名づけ、二人暮らしで妻がフルタイムで働く子供のいないカップルを対象に、彼らの「時間管理」「サイフ」「家事」「力関係」の現状と特徴を紹介していく。

    1987/02/27
  • 妻が働きに出ると

    第1回調査より5年が経過した。女性の社会進出にともない、主婦のパート事情にも異変がみえはじめた時、第2回パート主婦調査を実施。「働くならパート。雇うならパート」「妻が変われば、夫も変わる」「妻のいい分・夫のいい分」など働く主婦と彼女たちを囲む人々の心理を調査分析した。意識の変化、態度の変化、行動の変化など、微妙な夫婦のすれ違いを、グラフで表している。

    1987/02/06
  • 時間とシルバーの、87年
    生活予報2000紹介号 時起こし
    調査年報2000紹介号 シルバー新潮流

    生活予報87「時起こし—時間開発のすすめ」と調査年報87「シルバー新潮流—長寿社会の先導者たち」の紹介号。「時起こし」では、モノ持ち・カネ持ちであるより「トキ持ち」でありたいと願う「時間価値に目覚め始めた人々」に対し、100のキーワードで時間開発の方向を示唆。「シルバー新潮流」では、進む高齢化社会に向け変わりゆくシルバーの生活を調査分析し、8つの特徴にまとめた。

    1987/01/20
  • 踊り場のミセスたち

    生活総研の主婦ネットによる生活行動記録1年分とグループインタビューによる最新の主婦の動向をまとめたもの。「女の時代」の主婦たちが考えていること、していることを8つのキーワード「45の曲がり角」「時間開発」「踊り場・とまどいんぐ」「新社交」「アドベンチャー・ワイフ」「妻職兼備」「妻能深化」「亭主元気で手伝って」で紹介した。主婦の生声を多数掲載。

    1986/12/24
  • 文化は挑発だ

    「文化戦略」などで、企業や行政が活用している「文化」。「文化ブーム」の中、昨今の文化状況について考えた。「文化の本性はワルだ」、「なぜ今、文化なのか—不景気だからこそ文化が生きる」、「文化インパクトを測る—有料で行くもの。無料なら行くもの」、「最近アツアツな企業と文化の関係」「時代とともに生きる文化」など「文化」を多面的に分析している。

    1986/11/28
  • 「明老」宣言

    21世紀にかけてのシルバーを「明老」と位置づけ「明老」先進国アメリカを取材して、その内容をもとにこれからのシルバー像を考察した。21世紀シルバーは「自立型共生」「都会型シルバー」「数10%集団」「強者的存在」「豊かなストック」「老化の克服」「脱進歩の時間概念」「余暇型中心社会」「シルバーデモクラシー」「女性優位」などのキーワードでまとめられる。

    1986/10/30
  • アーバン・キャンピング

    モノを「持つ」より「使う」ことに重きをおく新しい暮らし方をする人々(ハビングより、ユージング志向の人々)が増えている。そんな、キャンプのような身軽な都市生活を「アーバン・キャンピング」と名付け、レンタル市場を徹底的に調査した。合理的な価値観を持ち、快を求める30男とちょっとリッチな私生活を送りたい40女がレンタル市場の支持者であった。

    1986/09/29