Z世代とシニア、上司と部下の板挟みで、40代おじさんは右往左往?
–日経クロストレンド 連載⑫–
こちらは「日経クロストレンド」からの転載記事です。
二択の調査結果から見る「40代おじさん」の意識分析の後編。2020年に博報堂生活総合研究所が実施した信頼に関する意識調査から、ラブレターよりキス派、母親びいき?などの特徴が浮き彫りになった40代おじさん。後編では世代差が表れたデータを見たところ、上の世代と下の世代との挟まれっぷりが露見。上司のことも部下のことも分かっていないという結果も出て……。
<前編はこちら>
二択で提示した調査結果を分析する後編は、世代差が表れたデータを追っていきたいと思います。調査対象である20~60代の中で、40代おじさんはちょうど真ん中。そのためか、質問に対する回答も、上の世代と下の世代の中間あたりの数値になる場合も多い結果となりました。
早速、Z世代とシニア世代の間に挟まれるさまを見ていきましょう。男女差が小さく世代差が大きい質問を取り上げるので、40代おじさんだけでなく、40代女性も同様の挟まれっぷりとお考えください。
まずは、ネット情報とマスコミ情報のどちらが信用できるか?という質問です。若い層はネット情報派が圧倒的多数派となりました。予想通りでしょうが、それにしても20、30代と60代では約30ポイントも差がついています。「ネット記事で読みました」と力説する部下と「新聞で読んだ」と熱弁を振るう上司に、どちらが正しいと思うか意見を求められたらどうしましょう? 40代自身はネット情報派が優勢なわけですが、そこで躊躇(ちゅうちょ)なく忖度(そんたく)もなく上司を切り捨てられるくらいなら、私たち40代おじさんはストレスなどため込みません! そして、厄介なことに、このような板挟みの種は大小様々にあるわけです。
例えば、自分が思う自分 vs 他人が思う自分、どちらが信用できるか?
すべての世代で、自分が思う自分派が多くなっています。しかし、20代と60代では、約15ポイントの差がつきました。40代の価値観は、やや20、30代寄りですが、ある程度客観的な目も信用する若者たちと、多くが自分を信用する年配たちに挟まれている格好です。
また、中間管理職に就く40代にとっては頭の痛いこんなデータも。
20、30代はやさしいリーダー派が多く、60代はきびしいリーダー派がやや多め。そして、40代ではほぼ二分で意見が割れているようです。40代にとって、どちらの姿勢で率いるかによって、上司・部下からの評価が左右されてしまうかもしれません。
このデータと少し関連しそうなのが、前編(40代おじさんはキス派?ラブレター派? 二択から見える意識)冒頭で触れた「生活定点」の運・ツキ派 vs 努力派です。「どちらが信用できますか?」という質問ではありませんが、「世の中、努力よりも運・ツキだと思う」vs「世の中、運・ツキよりも努力だと思う」の二択で、こちらも世代差が表れました。
きびしいリーダーを信用する人の割合の方が多かった60代は努力派が多数を占めましたが、20代は運・ツキ派と努力派が拮抗。「世の中、努力だと思う」人の割合は、20代と60代で約17ポイントの開きとなりました。60代リーダーからは、努力を強いられそうな予感が漂ってきます。
→続きは日経クロストレンドのページからご覧ください。
<日経クロストレンド「30年のデータで解析! 生活者の変化潮流」>
第1回ーー 「43歳からおじさん」が調査で判明! 「7つの特徴」を大分析
第2回ーー 足りないのはお金より時間 40代おじさんの幸せは“時産”にあり
第3回ーー たこ焼きが1位? 和食が消えた? 好きな料理ランキング大激変
第4回ーー シュフからシェフに! オンラインで「我が家の食卓」が変わる
第5回ーー 40代おじさん必読! J.Y. パーク氏に学ぶ 「褒めワード」ベスト5
第6回ーー 世代間ギャップを学べる魔法の質問 「お金持ちって誰ですか?」
第7回ーー 「お金持ちへの憧れ」は徐々に減る?若者はなりたい自分を投影
第8回ーー 40代おじさんに黄信号 「男女平等感」が世の中とズレている!?
第9回ーー 40代おじさんの意識を精神科医が分析 悲しい性をメッタ斬り!?
第10回ーー40代おじさんの生き様は「30点」? 精神科医による処方箋
第11回ーー40代おじさんはキス派?ラブレター派? 二択から見える意識