生活新聞1981 - 2006
1981年から2006年まで、社内資料として発行されていた「生活新聞」の概要を掲載しています。「生活新聞」とは、生活者の日常を研究員が独自の視点で洞察・研究し、社会生活から日常生活のディテールまで、様々な手法を用いて生活に迫った研究レポートです。
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知育から意育へ
「国際社会先進国」であるヨーロッパの子育ての実状を取材した。個の確立、他との違いあるいは共存を認識させることに主眼を置くヨーロッパの幼児教育。それは、日本的な知の育成ではなく、豊かな感性や強い意志をはぐくむ「情育」であり、「意育」である。《316号》
2000/03/31 -
五媒体論
インタ ネットの導入率が30%に到達しそうだ。今後は既存の四大メディアに比肩しうるパワー 、第五のマスメディアとしての地位を獲得するのは間違いない。時間接触量という視点から既に導入済みの人たちを調査した結果、予想以上に多くの時間がWEBの閲覧とE-mailの送受信に費やされており既存のメディアを食っている。《315号》
2000/03/15 -
生活予報2000紹介号
生活の百年ロマン新千年紀を迎えるのを機に、この先100年を視野に入れた 未来予測を試みた。「生活・この100年」と題した過去1世紀の生活年表を導入部とし、本編を6つのシミュレーション・レポート(分冊)で構成した。それぞれは独立した未来予測だが、全体を通して、ひとつの基調音に裏打ちされた生活者の確かな未来像がみえてくる。《312号》
1999/12/10 -
アジア熱
一部はノーツ上で公開中の「アジア生活総研」が有する膨大なレポートを集大成した。総じて経済が低迷する中にあっても決して萎縮すること無く、むしろ逆境をはね返さんばかりの熱気がそこには感じられる。その「熱」を8つに分類して、アジア6都市に住む生活者たちの文字どおりホットな現況を伝えている。《311号》
1999/12/02 -
やさしく・つよく・たくましく
個性化のいまと、メディア・コミュニケーションを考える人々の新しい生活満足を考えると「モノづくり」以上に「コトづくり」の発送が重要になるだろう。そこで、日ごろから人々の気持ちを考え、新たな魅力や感動といった「コトづくり」に取り組んでいる専門家にインタビューを行い、彼らにとって今の生活者がどのように見えているのかを探った。登場するのはTVディレクター・雑誌編集長・映像プロデューサー・タレントマネージャーなど15名。《310号》
1999/11/12 -
オバサンの消息
ミセス・ミードルについての報告書かつて独特の風貌、いでたち、その行動力でオバタリアンとも称されたあのオバサンたちをとんと見かけなくなった。彼女たちはどこに消えたのか。あるいは姿を変えてどこかに息を潜めて棲息しているのか。その足跡を追ううちに判明したのは、以前のオバサンとは外見も中身もまるで違う「ミセスミードル」の出現であった。《309号》
1999/10/29 -
マリッジ・スルー
再単人生。結婚そして離婚を通り過ぎた人々。「再単者」つまり結婚を通り過ぎて再び単身生活を始めた人たちの生活ぶりを特集。男やもめ、あるいは出戻りといった陰湿な言葉でイメージされてきた再単者だが、実は意外に前向きで、楽しく、たくましく生きる人たちが増えている。こうした「進郎・進婦」のマリッジ・スルー・ライフの実像をさまざまな視点から描出した。《308号》
1999/09/30 -
ようこそ平日ホリデイの世界へ
高度成長期には 多忙が誇らしげに語られたものだが、バブル崩壊後の休日意識を探ってみた。水曜半ドンやバカンス制度の導入には過半数の賛成が得られたが、閑であることへの不安も根強い。また、平日を休む生活者は意外に多く、レジャーの日常化が進んでいる。「平日ホリデイ」の推進は新しい市場を生み出すかもしれない。《307号》
1999/09/20 -
サラウーマン
不況という不足の事態でOLは突然変化したお気楽の同義語に成りはてた「OL」という呼称だが、不況が否応なく「女性会社員たち」に意識の変 化を促すにつれ、かのお気楽概念&呼称=OLがその実態にそぐわなくなってきている。「定年まで 働きたい」という女性がこの5年で8%から27%へアップしているなど、女性会社員をサラウーマンと 呼ぶべき時代にきているようだ。《306号》
1999/08/31 -
レフト・ハンディ?
時代や民族を問わず、左利きは5-10%の割合で一定しているそうだ。障害ではないが少数派であるには違いない左利きに焦点を当てて、そのイメージや実態を追った。左利きは「創造力がありそう、頭が良さそう、器用そう」のイメージがかなり高いものの「かっこいい、うらやましい」イメージはそこ そこで、「かわいそう」というのが44.6%あった。《305号》
1999/08/13 -
放課後の時間割
高校のクラブ活動に焦点を当て、今どきの高校生における関心の領域を探った。いまや絶滅の危機に瀕した無線部や社会研究部、代わって人気のコンピュータなど、当然というべきか、時代をきっちり映していて興味深い。東西の比較では、バドミントンは東京が上位でラグビーは京阪神のスポーツであることがわかる。 《304号》
1999/07/31 -
調査年報1999紹介号
時間 均整のとれた【速度緩和社会】を求めて時間との付き合い方、対処の仕方=生活速度によって生活者を4タイプに分け、それぞれの分析を行っている。とりわけ半数を占める強制高速型および不満低速型の人たちの、時間に追われあるいは追いつこうとして奮闘する様は、ひたすら高速化する社会に対する声なき速度緩和への希求と捉えることが出来よう。《303号》
1999/07/06 -
土手の柳は風まかせ
川あれば当然そこには土手があるわけだが、土手を本格的に考察した例はあまり無い。河況係数(本文参照)に見る日欧の土手の違い、都市における土手の4大機能に触れつつ、水辺の魅力や土手の今日的意味を考え、さらには土手の未来を予測している。土手は「際」であるがゆえに絶えざる変化を続け、常に何か面白いことをもたらしてくれる。《302号》
1999/06/30 -
だからそれが、おせっかい、なんだってば。
する側にしてみれば「親切」のつもりでも、受ける側にとっては往々にして「おせっかい」であることが多い。老婆心ともいわれるように、どうやら「おせっかい」は男性よりは女性の専売特許であることが調査でもわかる。生活者にとって何がおせっかいと感じるか、あるいは、もっとあってもいい おせっかいは何かなど、日常生活から行政・企業のサービスにいたるまで調査した。《301号》
1999/06/18 -
生活者宣言300
創刊300号を記念して、 過去発行した全299号のタイトルと要約を収録。《300号》
1999/05/31 -
紙々の叫び
ビラ紛争、始まる。情報氾濫時代、街には看板や貼り紙があちこちに貼られている。そんな中、住民が貼った手書きのビラに注目した。東京・大阪・京都・静岡の街を歩き、ビラに込められた住民ストレスを追跡調査。その結果、ビラ紛争の起こる場所は地域摩擦の起こりやすい商業地区と住宅街のボーダーに多いことがわかった。ゴミ処理問題からペット問題まで様々なビラを分析し、7つのビラ作戦に分類した。《299号》
1999/05/24 -
武蔵小山力
駅前ワンダーランドに人の欲望が見える各地の商店街が落ち込む中、善戦する武蔵小山商店街を取材。その魅力を解きあかした。自由奔放な「業際破壊」、商品陳列のジャングルの雰囲気を持つ「密林商界」、多国籍な通行人の「日曜万博」、同じ業種の繰り返しという「反復催眠」、店主などの気質が明確に出る「主張濃厚」という5つの条件が、混沌とした活気を作り出していると分析している。《298号》
1999/04/28 -
T.M.Revolution(タウン・マネージメント・リボリューション)
生活総研的中心市街地活性化計画中心市街地の活性化について、生活総研としての提案を試みた。98年夏に制定された中心市街地の活性化に関する法律では、タウン・マネージメント・オーガニゼーションを軸に再興への道を探っている。広告会社としても、街や地域を経営するという発想で、商店街復興をめざそうと問題提起をしている。再興の基本は生活者の側を向けということにつきる。《297号》
1999/04/15 -
ギャップル
夫婦のギャップが生み出す世界1200組の夫婦が答えた96の価値観質問にうち、71問以上一致した似たもの夫婦と、60問以下の一致率のギャップルの違いを明らかにした。ギャップルの離婚危機度は高く、幸福度も低い。その他、配偶者を殴る、タバコを吸う、結婚指輪をしている、酒を飲む、セックス重視、パソコン利用、美形か否か、朝挨拶するかの8点から夫婦を分類し、比較している。《296号》
1999/03/25 -
e兆候って何だ?
90年代の変化を生活定点調査の結果から読み解き、そこから2000年代の分析コンセプトを抽出している。eco、ego、econという3つのe兆候が見られた。自分志向の高まりを軸に、環境志向とグローバル経済の荒波が、どう影響を与えていくか。具体的に、3つの動向ごとにキーワードで考察している。e兆候のダイナミクスとしての動態的な未来予測。《295号》
1999/02/26 -
正月の新聞雑誌定点観測1999
卯の刻ニッポン正月の新聞雑誌定点観測のレポート。新聞の見出し語ランキングでは、ユーロと欧州が上位に。銀行、夢もランキング入り。雑誌では特に変化がないが、98年に続いて広末涼子が人名ランキングで1位。新聞雑誌の論調としては、卯の刻、つまり夜明け前の暗さと言うことで、じたばたしても仕方がない。もうすぐ明ける夜のために、一歩前へ出るにはどうすればいいか考えようという姿勢。《294号》
1999/01/25 -
生活予報1999紹介号
野生活力 マクロ負けしない生活生活予報99の紹介号。不況で沈滞しきったなか、経済活力は低下しているが、非経済活力、いいかえるなら野生活力は健在であることを明らかにした。いきいきとした躍動感の生命パワー、知的な好奇心が生み出すわくわくとした文化パワー、人と共存する実感の中からわき出る関係パワーの3方向ごとに合計99のキーワードを紹介。99年の生活変化を予測している。《293号》
1998/12/10 -
生活定点1998紹介号
10代生活定点生活定点調査と同時期に行っている10代生活定点調査の要約。20歳以上の結果と同じ傾向を示している。男子はスポーツとゲームに関心。女子は友人やスタイルを意識。96年と比べると男子は社会への関心が向上。女子はネット上の交際に興味が高まる。音楽・ファッション・タレント・占い・サッカー・ファストフードへの関心の高さが20歳以上との違いである。《292号》
1998/11/30 -
生活定点1998紹介号
経済混迷の中で、消費を厳選しながら生活満足を維持する生活者生活定点98年版の紹介号。経済の混迷の中で、明るさを堅持する生活者の実態が表れた。シンプルな生活を望み、消費においては厳選する姿勢が強いが、ピンとくるといった感覚的志向も強まっている。日本のシステムに対する信頼は低下して、不安感が高まっている。以下、12の生活分野ごとに定点の結果を要約。90年から98年の職業別の意識変化も掲載。《291号》
1998/11/09 -
環状線劇場
都市の本音が渦巻く場所東京の山の手線と大阪の環状線に乗車して、会話を採取。内容を分析した。時間帯は、夕方から夜にかけて、職場の仲間が一緒に乗車する頃。従って、その日の仕事のうさを乗った仲間にぶちまけるシーンが多かった。うさをはらし、ここだけと内輪の話に盛り上がり、その日のニュースを語る。都会の情報連鎖の起点を探った。大阪の方が会話が連続的なのが特徴。《290号》
1998/10/30